お店やサービスを利用したとき、対応してくれたスタッフの態度次第で気分が大きく変わるという人も多いのではないだろうか。もし笑顔が少ない店員さんに気分を悪くしそうになったときは、ぜひ今回紹介する話を思い出していただきたい。

笑顔の接客を続けた女子高生の悲劇

「笑顔で接客しただけなのに…」女子高生バイトに“勘違い”した...の画像はこちら >>
 宇山加恋さん(仮名・現在20代・当時高校生)は幼い頃、近所にあったスーパーでレジをしてくれたお姉さんに憧れて、高校生になってからレジ打ちのアルバイトをスタート。憧れだったお姉さんを思い出しながら笑顔と親切を忘れない接客を心がけていた。

「昔よく行っていたスーパーはなくなって、お姉さんもどこへ行ってしまったかはわかりませんが、すごく心に残っているんです。私もそういう誰かの記憶に残るような接客をしたいと思っていました」

 スーパーでレジ打ちをするようになった宇山さんは、たくさん買い物をしているお客さんのカゴは商品を入れるサッカー台まで運ぶなど、困っている人を見かけたら笑顔で積極的に声をかけた。

「お客さんも笑顔で返してくれたり喜んでくれたりするので、毎日がすごく楽しかったです。でもある日、同じレジのアルバイトをしている人から『親切すぎる対応は気をつけたほうがいい』と注意されまして……。最初は何を言われているのか、まったくわかりませんでした」

「髪型似合ってるね」…常連客の“勘違い”が発覚

 ピンときていない様子の宇山さんに、そのバイト仲間は「宇山が自分に気があると勘違いしていそうな客がいる。宇山のところに並んで、こっちが空いていると呼びかけても来ないんだよね」と説明した。

「そのお客さんは、ぽっちゃりとした30代くらいの常連さん。少し暗い感じの人ではあったけれど、だんだんと打ち解け、挨拶や日常会話も交わすようになっていただけに、最初は正直“まさか”という信じられない気持ちでした」

 さらにそのバイト仲間は「聞き間違いかもしれないけど、この前は『こっちが空いています』と声をかけたら『あの子が待ってるのに邪魔するな』ってボソっと言っていて怖かったよ」と話したようだ。

「言われてみると『髪型似合っているね』『笑顔が見れて元気になったよ』などと声をかけられたことを思い出して急に怖くなりました」

退勤後に待ち伏せ…彼氏気取りの客が放った“恐怖の言葉”

「笑顔で接客しただけなのに…」女子高生バイトに“勘違い”した中年男性客。待ち伏せされて言われた“恐怖の一言”とは
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 そして、その話を聞いた日の退勤後、なんとその男性にスーパーの前で待ち伏せをされていたという。

 男性客はその日、宇山さんが男性スタッフと話していたところを目撃していたらしく「僕がいるのにどうしてあんなに親しく話しているの?」と恨めしそうな顔で詰め寄ったという。そして「誰にでもあんなふうに笑顔で受け応えしているのか」と口調は強まっていったようだ。

「男性客は完全に彼氏気取りで恐怖を感じました。『髪型、似合っているね』『笑顔が見れて元気になったよ』と男性客から言われたとき、サラリと笑顔で『ありがとうございます』などと受け流していたことが誤解させたのかもしれません」

笑顔の接客がトラウマに…

 宇山さんはすぐに「あなたと私はお客さんとレジの人で、それ以上でもそれ以下でもありません。
怖いことを言うなら警察呼びますよ」と言い放って逃走。恐る恐る翌日出勤したがそれ以降、男性客は現れなくなったという。

「そのスーパーで働くのが怖くなって、少ししてバイトをやめました。いまの仕事も接客業ですが、あのときの恐怖からあまり笑顔で接客できなくなりまして……。この前はお客さんに『愛想悪いなぁ』と嫌味を言われてずっとモヤモヤ。このままの接客でいいのか自問自答しています」

 接客業自体をやめたほうがいいのかもしれないと悩む宇山さん。店やサービスを利用するときには、こういった事情を抱えた人もいるのだということを理解したり、消費者である私たちも、誤解してスタッフを困らせないようにする意識が必要だろう。

<TEXT/夏川夏実>

【夏川夏実】
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Xアカウント:@natukawanatumi5
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