◆クイーンエリザベス2世C・G1(4月26日、シャティン競馬場・芝2000メートル)

 壁は果てしなく高い。マスカレードボール(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎、父ドゥラメンテ)の今年初戦には、世界歴代最高の獲得賞金51億円超を誇るロマンチックウォリアーが待ち構える。

主催者発表のレーティングは128で125の香港最強馬を上回っているが、手塚久調教師は「胸を借りる立場」とあくまで挑戦者であることを強調。ここまでG1・13勝、地元では23年12月から9連勝中と、香港の英雄はあまりに規格外の強さだ。

 だが、昨年の天皇賞・秋を制した日本中距離界のエースも、世界に通用する脚の持ち主だ。ジャパンCでは、欧州最強馬のカランダガンと激しく競り合い、頭差の2着。レース後にルメールは「能力があるので次も楽しみ」と負けて強しの相棒を称賛。「まだ3歳で甘いところがある」と当時、課題も挙げており、4歳を迎えてのパワーアップにも期待していた。トレーナーは「いいか悪いかはレースしてみないと分からないけど」と前置きしながらも「力強さは出てきています」と成長を実感している。

 当初はドバイ・シーマCを予定していたが、国際情勢を考慮して回避。その後は大阪杯も視野に入れていたが、態勢が整わず見送って香港での初の海外遠征を選択した。15日の国内最終追い切りでは、美浦・Wコースで6ハロン81秒9―11秒1の自己ベストをマークし、状態に不安はない。指揮官が「手探りでいかないといけない部分もある」と慎重だが、輸送や初めての環境を克服した先にある頂点の景色は、間違いなく絶景だ。(角田 晨)

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