―[ひろゆきの兵法~われら氷河期は[人生後半]をどう生きるか?~]―

仕事も生活もなんとかやってきた就職氷河期世代だが、40-50代になって迎える新たな難問が「幸せ」だ。人生後半も過酷な彼らは、いかに生き抜いていくべきか? 同世代のひろゆき氏が考える。

「幸せって何?」と悩むよりプチプチをつぶすほうがマシ。ひろゆ...の画像はこちら >>

超ささいな暇つぶしが「人生の幸せ」に繋がることもある

 人生100年時代の折り返しに差しかかった氷河期世代には「人生の幸せって何か?」みたいなことを考える人も増えるようです。社会的な立場がそれなりにあったり、家族がいてそれなりに幸せを感じている人も多いと思うのですが、そういう人でも「これからの人生、どうすれば幸せに生きられるのか?」と考えだしちゃうわけですね。

 もちろん、幸せなんて人によって違うので答えはないです。ただ、「幸せとは?」という問いが頭に浮かんでいる時点で、何かしらの不満や引っかかりを感じているのも事実。なので、その瞬間はあまり幸せではない状態とも言えます。

 反対に、子どもの頃はどうだったか。全力で遊んだり漫画やゲームに夢中になっているときに、「幸せって何だろう?」なんて考えなかったはず。考える暇がないくらい没頭している状態こそが、幸せだったと思うのです。

 とはいえ、氷河期世代はすでに中年。人生が劇的に改善するなんてことは、残念ながらほぼ発生しません。つまり、手元にある“カード”が変わる可能性は低い。その前提に立つと、幸せを感じるためにできることは、環境を変えることよりも物事の捉え方を変えることなのです。

他人の意見を基準にしても、意味がない

 ここから少し矛盾したことを書きますが、ツッコミは心の中にとどめておいてください。
「幸せとは何か?」という問いについて、他人の意見を聞き入れてはいけません。他人が考える幸せを基準にするから、「それを持っていない自分」が気になって、不満が増えるのです。なので、他人がどう思うかは関係なく、自分が時間を忘れられる何かを見つけたほうがいいのですね。……と、他人である僕が幸せについて書いているので、この時点でかなり矛盾しているのは自覚していますが。

 でも、時間を忘れるのは重要です。ゾーンに入るとか夢中になる、集中モードに入るなど呼び方はいろいろありますが、共通しているのは時間を忘れている状態です。その間は不安を感じる暇もありません。多くの日本人は暇になると不安を感じやすいので、「時間が余る=不安が増える」になりがちなのです。

 だからこそ、何も考えずに忙しくするというのは、実はかなり合理的だったりします。例えばお葬式という儀式も、喪主はやることが多くて忙しくなります。そのおかげで悲しみに沈み続ける時間が短くなる。お葬式という形式が長く残ってきたのは、そういう意味でも理にかなっているのですね。


 なので、手当たり次第で構わないので、いろいろ試してみるのがいいと思います。その行動に意味があるか、生産性があるかはどうでもいい。他人に相談する必要も評価してもらう必要もありません。

 天井の染みを数えているだけで時間が飛ぶなら、それで十分。梱包材のプチプチをひたすらつぶしていてもいいし、折り紙やパズルでもいいので、時間の流れが変わるものを見つけられたら、それはもう十分に価値のあることだと思うのですよ。

構成・撮影/杉原光徳(ミドルマン)

―[ひろゆきの兵法~われら氷河期は[人生後半]をどう生きるか?~]―

【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』
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