AV業界に乗っ取られた田舎町を舞台にした問題作、WOWOWの新ドラマ『モザイクジャパン』[R15+指定相当]が5月18日より放送される。衝撃的な内容となる本作で主演を務めるのは、手実力派俳優の永山絢斗
今回、本作で体当たりの演技をする永山に、脚本の印象や撮影中のエピソードを聞いた。

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 東京の証券会社をリストラされた常末理市(永山)は、帰郷して再就職を果たすも、そこはアダルトビデオを中心に事業を手掛ける新鋭企業「GALAXYZ」だった。職場ではいたるところで絡みの撮影が行なわれる始末。理市はこのセックス産業で潤う田舎町に巻き込まれ、破滅、成功、絶望、快楽のすべてを経験することになる。本作は、欲に絡まる人間関係の心理描写、日本全体の社会問題などが盛り込まれた注目作だ。

 今回、繊細な心理描写に定評がある坂元裕二が脚本を担当、コメディなども手掛ける水田伸生が演出を務める。2人は、日本テレビ系ドラマ『Woman』や『Mother』でもタッグを組んだ名コンビ。加えて、2010年に映画『ソフトボーイ』で演技が高く評価され、「第34回 日本アカデミー賞 新人俳優賞」を受賞した永山が主演に挑む。

 脚本の印象について、永山は「衝撃的でした。それでも、鋭いところをついている。理市は真面目で純粋な心を持っています。セックス産業に巻き込まれていく様というのが面白いなと思いました」と語る。
そして、「理市の気持ちに無理がなかった。すんなり入れましたね。『ここは理解できないな』ということがなかったです」と続けた。 永山は今回、水田組に初参加。どんな印象を抱いたのか聞いてみると、「芝居を大事にしてくれる監督だなと思いました。監督が現場を回しているというのが空気で伝わってくるんですよね。皆が監督についていってるという感じがしたし、連携がとれている心地のいい現場でした」と笑顔で振り返った。

 理市はジェットコースターのように環境が著しく変化する役どころ。役作りで苦労したところはないのだろうか。永山は「実際にAV業界に取材に行った人の話を聞いたりしたんですけど、現場にはフラットな気持ちで入りました。準備らしい準備はしませんでした」とさらり。自然体で臨んだのが功を奏したようで、「ハメ撮りって自分で撮らなきゃいけないじゃないですか。
当たり前なんですけどね。現場に入って、初めて気付いたんです(笑)。だから、先入観なくできましたね」と話した。

 ただ、永山は別のところで一つの懸念を感じていたそうだ。「本当は恐かったんです。クランクアップするころには色々な事を知りすぎて性欲がなくなっちゃうんじゃないかと思って(笑)。実際はそんなことはなかったですけど…」と永山はうつむき加減で微笑を浮かべた。

 本作は永山にとってどういう作品となったのだろうか。「面白い現場だったので響きましたね。25歳という齢で、この作品に出会えてよかったと思います。ただ、僕にとってのターニングポイントになったかどうかはまだわかりません」。また、今後はどんな俳優になりたいか聞くと、「自分に飽きないってことですかね。
ちゃんと探していきたいですね。見つからないことを願って」。永山は現在も進化し続けている俳優だ。最後に求道者としての顔を垣間見たような気がした。(取材・文・写真:梶原誠司)

 連続ドラマW『モザイクジャパン』[R15+指定相当]は、WOWOWプライムで5月18日から毎週日曜23時に放送(全5話)。
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