7月に「金曜ロードSHOW!」で放送された『もののけ姫』『となりのトトロ』が高視聴率を記録して、『思い出のマーニー』公開に合わせ、ジブリが盛り上がっている。そんななか、高畑勲監督作『かぐや姫の物語』英語版吹き替えにクロエ・モレッツ、ジェームズ・カーン、ルーシー・リューといったキャストが発表され、話題を呼んでいる。
だが、この豪華キャストは、今に始まったわけではないのだ。ここで、ジブリ作品の吹き替えの歴史を振り返ってみよう。

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<ジブリ作品英語吹き替えのキャスト※一部を紹介、左が日本語版キャスト/右が英語版キャスト>

風の谷のナウシカ
ナウシカ(島本須美/アリソン・ローマン『スペル』)
アスベル(松田洋治/シャイア・ラブーフ『トランスフォーマー』)
クシャナ(榊原良子/ユマ・サーマン『キル・ビル』)
ユパ(納谷悟朗/パトリック・スチュワート『X-MEN』)

天空の城ラピュタ
パズー(田中真弓/ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク『ドーソンズ・クリーク』)
シータ(横沢啓子/アンナ・パキン『ピアノ・レッスン』
ムスカ(寺田農/マーク・ハミル『スター・ウォーズ』)

『となりのトトロ』※ディズニー
サツキ(日高のり子/ダコタ・ファニング『I am Sam アイ・アム・サム』)
メイ(坂本千夏/エル・ファニング『マレフィセント』)

魔女の宅急便
キキ(高山みなみ/キルステン・ダンスト『スパイダーマン』)

『もののけ姫』
アシタカ(松田洋治/ビリー・クラダップ『ウォッチメン』)
サン(石田ゆり子/クレア・デインズ『HOMELAND/ホームランド』)
モロの君(美輪明宏/ジリアン・アンダーソン『X-FILE』)

『猫の恩返し』
ハル(池脇千鶴/アン・ハサウェイ)『ハウルの動く城』
ソフィー(倍賞千恵子/エミリー・モーティマー『ラースと、その彼女』、ジーン・シモンズ『ハムレット』)
ハウル(木村拓哉/クリスチャン・ベイル『ダークナイト』)
マルクル(神木隆之介/ジョシュ・ハッチャーソン『ハンガー・ゲーム』)
カルシファー(我修院達也/ビリー・クリスタル『アナライズ・ミー』)

『崖の上のポニョ
ポニョ(奈良柚莉愛/ノア・サイラス※姉は歌手マイリー・サイラス)
宗介(土井洋輝/フランキー・ジョナス※ジョナス・ブラザーズのさらに下の弟)
宗介の母・リサ(山口智子/ティナ・フェイ『30 ROCK/サーティー・ロック』)
宗介の父・耕一(長嶋一茂/マット・デイモン(『ボーン・アイデンティティー』)
ポニョの父・フジモト(所ジョージ/リーアム・ニーソン(『シンドラーのリスト』)
ポニョの母・グランマンマーレ(天海祐希/ケイト・ブランシェット『ブルージャスミン』)

 ほかにも、『紅の豚』はマイケル・キートン、『ゲド戦記』はティモシー・ダルトンとウィレム・デフォー、『借りぐらしのアリエッティ』はシアーシャ・ローナン、『風立ちぬ』は、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、エミリー・ブラントらが名を連ねた。

 ここまで豪華スターが揃えば、さぞやアメリカで拡大公開されているような気がするが、今回テレビ放送で見事な視聴率を記録した『もののけ姫』は、アメリカでの公開初週の上映館数はたったの8館だったが、最終的に129館。日本で興収304億円を記録した『千と千尋の神隠し』も、アメリカでの初週公開館数は26館から最終的に714館といきなり拡大公開の規模ではなかった。

 だが、“スタジオジブリ”ブランドは徐々に浸透し、『思い出のマーニー』の米林宏昌の初監督作『借りぐらしのアリエッティ』は、最初から1522館で公開され、興収約2千万ドルでジブリ最高の数値を記録。アメリカで10月に公開される『かぐや姫の物語』はどこまで記録を伸ばせるのか、注目が集まる。
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