【関連】『アルジャーノンに花束を』いしだ壱成&河相我聞インタビューショット<フォトギャラリー>
本作は、ダニエル・キイスの同名小説を原作にした作品で、主人公・白鳥咲人が6歳児並みの知能を持つ青年から超知能を持つ天才に変貌を遂げる難役に、山下智久が挑んでいる。咲人の父・白鳥久人役にいしだ、咲人が通う脳生理学研究センターで働く研究員・杉野史郎役に河相が出演を果たしたが、今回はさらなる“運命的な共演”も果たしていたという。
実は、白鳥久人(いしだ)の息子・咲人の幼少期を、河相の次男で俳優の竜跳が演じている。河相は「壱成くんと共演するという以上に、そのことに一番驚いたし運命を感じた」と感慨深げ。いしだは、竜跳演じる咲人との共演シーンについて「カットが掛かった後の表情が彼(河相)そのままで、不思議なものだなあと思った」としみじみ語った。さらに河相は「息子とセリフ合わせしようとしたら、『壱成さんとじゃないとできない』って言われた。『ちょっと待て。俺は先輩だぞ』って言ったんだけどね」と苦笑い。いしだは「後で『素晴らしかったよ』って我聞には言ったんだけど、納得してない顔をしてたね」と微笑んだ。 本作には『未成年』同様、山下ほか窪田正孝、工藤阿須加など若いキャストが数多く出演している。彼らの印象を聞くと、河相は「山下(智久)くんとは途中からプライベートな話もするようになって、こんなに物腰の柔らかい感じの人なんだと感じた。それが印象的だった」と述懐。
『未成年』俳優陣と彼らとの違いはなんだろうか。「僕が感じたのはストイックさ」といしだは言う。「自分たち世代は全員で何かを共有するというものはあったが、演技論みたいな話は楽屋でもしなかった。今は皆、台本と演出にそった形でストイックにやっているように見えた」と熱弁するいしだ。河相も「僕らの時代はアクセントをつけたり、テクニックで演じるという人が多かった。しかし、今の彼らの場合はすごく自然で心が動いているから伝わってくる。だから、すごいと思うし、勉強になる」と絶賛した。
また、河相は「当時でも、壱成くんは衝撃的だった。お芝居をしているという感じではなくて、心が動いている。
当時を振り返りながら河相は「浜崎あゆみさん演じる瞳の子どもの父親になるというシーンがあって、監督に『お前には子どもがいる人の気持ちなんかわからないだろう』って言われたけど、『どうしよ。いるんだけどなあ』って思ってた(笑)。当時誰にも言ってなかったから…」と、すでに実生活で“父親”だったことを隠し撮影していた状況を回想した。
最後に本作最終回の見どころを聞いてみた。河相が「言えることは少ないけど、とにかく僕は台本を読んだときに泣いた」と話すと、いしだも「僕はカットが掛かった後も、涙が止まらなかった」と語り、「世代を超えて、『未成年』のように素敵な作品として残っていくんじゃないか」と太鼓判を押していた。(取材・文・写真:梶原誠司)
『アルジャーノンに花束を』最終回は、TBS系にて6月12日(金)22時より放送
(TBSエリアでは21時59分放送スタート)。
衣装協力:VESVIO、MAURIZIO BALDASSARI、McGREGOR/河相我聞