ロンドンブーツ1号2号田村淳。現在、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日)や『淳と隆の週刊リテラシー』(テレビ東京)等、多彩なジャンルでMCを務めるだけでなく、アイドルグループ“スルースキルズ”のプロデュース、ビジュアル系ロックバンド“jealkb”のヴォーカルなど、その才能は留まるところを知らない。
そんな彼が、『35点男の立ち回り術』(日経BP社刊、1300円+税)を出版し、自身の半生と、生きかたのヒントをつづっている。

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 この本でまず驚かされるのが、田村淳がいじめられっ子だった、という事実だ。「小学校2年生のときにいじめにあったと書きましたが、6年生のときにも似たようなことがあったんです。それは、何人かのちびっこが集まって東京ディズニーランドへ行く、“ちびっこ1人旅”の道中で、いじめとはいかないまでも、いやーなことをされた。それで、かつてのように爆発して、『旅行に来ているのに、1人のことをいじめて楽しいのか! ディズニーランドって、そういうところじゃないだろう!』といったことを力説したら、一目置かれるようになりました。何かあったら言いたいことを言って、立ち上がればいい。それが体に染みついているんです」。

 小さいころから、自分が動くことで状況を打破してきた淳は、「僕は、言われることを受けるだけ受けている間に考え、それから話す。このスタイルはずっと一緒。『朝まで生テレビ』方式のような、感情的な議論の進め方は大嫌いなんです」と明かす。

 「みんな、マイナスなコミュニケーションから入っているので、もったいないなぁ、と思いますね。誰しも、ちょっとしたジョークを交えて笑わせたい、というタイミングがあるのですが、その際、特に若い人たちだけでいると、おじさんがこんなことを言ったとしらけてしまう。
そのとき、僕は面白くなくても笑うようにしています。まるで、笑いが相槌のように。そうすることで、心がほどけるというか、場が和んで、コミュニケーションがつながっていく。次笑うために、まず笑う。自らが歩み寄ってあげたほうがいい」。

 また、淳は、ツイッターにフェイスブック、インスタグラムなど、SNSを使いこなす人物としても知られている。それはつまり、自身から情報発信を行うということ。炎上する確率も自然と高くなるが、「炎上は全然気にならないですね。むしろ、あるべき姿だと思います」とさらりと口にする。「SNSなんて、たかが知れている人数で回してやっている。ツイッターを1日にどれだけの人が真剣にやっているのかというと、そういないですよ。だから、炎上を恐れてやらないのではなく、経験してみて、これは合う、これは合わないという着地をしたほうがいい。
自分が諦めたら、成長が止まってしまいます。まずは、経験してみること」。 では、いま以上の経験はどうだろうか。淳と同じ事務所では、ピースの又吉直樹が小説『火花』を発表し、品川庄司品川祐は映画監督として活躍している。「僕には、そういうクリエイティブな分野の才能がありません。だから、自分が楽しいと思えることを突き詰めていき、それをほかの人と一緒に共有していきたい」とキッパリ宣言。

 「例えば、今は、お見合いイベント“マスク de お見合い”に力を入れていますが、ゆくゆくは結婚式の司会者をやってみたいし、ウエディングの会社も立ち上げたいですね。あと、最近、自分のマンションを改造して、オールグリーンバックの防音スタジオを作ったので、そこから色々と配信する予定です。やはり、今、テレビが嘘くさくて、ネットも嘘くさい。というか、発信するものが、みんな嘘くさいと思われているので、極力嘘ではないものを出さないと、みんながくいついてくれない時代になっています。だからこそ、自分のメディアを持って、自分が思っていることをストレートに伝える場所を確保しておく必要がある」。

 何かと注目を集める田村淳。
今以上に発言が増えたら、メディアはどう彼を追いかけ、ファンは何を思うのか。彼からますます目が離せそうにない。
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