2017年夏ドラマ(7~9月期)は、山下智久が主演を務めた医療ドラマ『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~』(フジテレビ)の新シーズンが視聴率トップを独走したクールとなった。2008年にファーストシーズンが放送されて以降、高視聴率を連発した人気シリーズの3作目で、最終回で最高視聴率16.4%(ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)を記録し、「月9」枠のドラマとして久しぶりにクールトップに輝いた。


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 1990年代から2000年代初頭にかけて、『東京ラブストーリー』『ひとつ屋根の下』『ラブジェネレーション』と伝説的ドラマを数々放送し、高視聴率を連発してきたフジテレビ月曜21時ドラマ、通称「月9」。『HERO』『ガリレオ』に続く、高視聴率シリーズ作として注目されていた『コード・ブルー』のサードシーズンは、期待通り、最終回まで独走状態で走りきった。ファーストシーズンから、“ドクターヘリ”に乗り込むフライトドクターを目指す若者たちが成長していく姿を描き、リアルな医療現場と人間ドラマで大きな感動を呼んできた本作。サードシーズンでは、医療者としての葛藤や人生の岐路での迷いを描き、見るものの胸を熱くさせた。また、山下に加え、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未浅利陽介と、主役級のキャストが揃うことも魅力の一つだ。2018年7月27日に映画が公開されることも決定し、こちらも大ヒットが予想されている。

 2017年に最もブレイクした俳といえば、竹内涼真が思い浮かぶが、そのきっかけとなったのが、高畑充希が主演した『過保護のカホコ』(日本テレビ)だ。この作品は、何から何まで親の庇護のもとに育ち、過保護の象徴のような女子大生・カホコが、一人の青年に出会ったことから成長していくホームドラマ。誰からも甘やかされてきたカホコにも「ダメなものはダメ」とはっきりと伝えながら、愛情溢れる言葉で思いやる竹内演じる麦野初の姿に、「胸キュンシーンだらけ」「興奮が収まらない」などの声が集まり、キュン死する視聴者が続出。竹内のイケメンっぷりが際立つ1作となった。 武井咲が主演した『黒革の手帖』(テレビ朝日)も、最高視聴率13.0%と好評を博した作品だ。これまで何度も映像化されてきた、松本清張原作のドラマだが、現代風の味付けが受け、多くの視聴者を引きつけた。
本作の放送終了直前に、EXILEのTAKAHIROとできちゃった結婚を発表し世間を驚かせた武井だが、演技の評価が高く、「新たな魅力を発見した」「すごく面白かったし、いい女優さんになった!」とSNSでは絶賛する声も多かった。また、最終回のラストシーンで、武井演じる原口元子が、謎の笑みを浮かべたことから、その意味をめぐってSNSでは推理合戦にも発展、大きな話題となった。

 このほか、2017年夏クールには、長瀬智也吉岡里帆坂口健太郎という人気俳優たちの三角関係を描いた『ごめん、愛してる』(TBS)、渡辺直美主演、要潤のクズ夫っぷりも話題になった『カンナさーん!』(TBS)、福士蒼汰が人を殺した過去を持つ青年を演じ、新境地を見せた『愛してたって、秘密はある。』(日本テレビ)など、多彩なドラマが並んだ。

 また、有村架純が主演したNHK連続テレビ小説『ひよっこ』がついに終了。後半になるにつれ視聴率が上昇し、全話平均視聴率20.4%を記録。「『あまちゃん』以来の傑作」「面白かった!」など高評価を獲得し、朝ドラ史上に名作として名を刻んだ。(文:嶋田真己)
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