2015年にAKB48を卒業して以降、映画、ドラマ、舞台、CMと年々、女優としての存在感を増し続けている川栄李奈。そんな彼女が2018年最初の映画として出演するのが『嘘を愛する女』だ。
今回は本作で謎のゴスロリ女子大生・心葉(ここは)を演じた川栄が撮影秘話や、自身が大好きだと語るホラー映画に対する偽らざる願望を明かしてくれた。

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 『嘘を愛する女』は大手食品メーカーに勤めるキャリアウーマン・川原由加利(長澤まさみ)が、同棲中の恋人・小出桔平(高橋一生)の嘘に翻弄されながらも、真実に近づくさまを描くラブストーリー。本作について川栄は「『嘘は人生に必要なのか』と問う映画」と表現。「すごく難しい作品だと思いました。由加利と桔平のラストシーンは、すごく考えさせられます。題名の通り“嘘を愛する女”を素敵だと思う人もいれば、『え~!』っと驚く人もいるはず」と解説する。


 川栄演じる心葉は、高橋扮する桔平に恋するゴスロリ女子大生。「オファーを受けたときに『ゴスロリのストーカーです』って言われて『なんだか面白そう!』って興味津々でした。彼女は、ここぞというときは由加利にもしっかり主張する、強めのストーカーでしたね」と語り、強いインパクトを残すゴスロリ衣装には「重かったです」と笑う。「フリフリのワンピースでボリュームがすごくて、さらにその上にフリフリのコートを着て…。着せられている感がありました」と冗談っぽく笑顔を見せる。

 2015年8月、秋葉原・AKB48劇場での卒業公演が終わった翌日に、演出家・岡村俊一が手掛けた舞台『AZUMI幕末編』の稽古がスタートした川栄。
以来、映画やドラマ、CMと多岐にわたって出演が相次ぎ、文字通り八面六臂の活躍を見せている。多忙な毎日を送っていることは容易に想像できるが、本人は「休まなくてもいけるタイプなので平気です。AKB時代が忙しくて、あそこで鍛えられましたね」とさらりと言いのける。 各方面からオファーが絶えないが、その要因を本人に尋ねてみると、「私、地味なので」とぽつり。「主演の邪魔をしないというか。お芝居をするうえで気をつけているんです。
他の人が目立つ場面では極力自分を消しつつ、でも存在感を出すことを意識しています」と独自の演技術を明かした。

 とはいえ、今年は主演映画『恋のしずく』の公開も控えている。主役として前に出ることが求められた。「主演はセリフ量も違いますし、出番も多くて大変だと思いました。自分で何かしようというより、まわりに助けてもらったことが多かったです。まわりの人が引き立ててくれるからこそ真ん中に立てているんだ、と実感しました。
自分が主演じゃないときに、主演の方にもうちょっと『こうできたらいいな』とかそういうこともたくさん考えました」と、また新たな経験を積んだようだ。

 そんな彼女が以前から「好き」と公言しているのがホラー映画。中でも「グロい映画が好き」らしい。「『ムカデ人間』とか『時計じかけのオレンジ』とかすごい好きです。異常者やサイコパス、キモいキャラクターに惹かれます。目がいっちゃうし、いろいろ調べちゃいますね」と喜々として語る。
もしサイコパスな役のオファーがあったら「すごくやりたいです! 私、超うまいと思いますよ(笑)」と自信満々。他にも幽霊の役にも興味があるそうで「(幽霊の)動きとかうまいと思います。本当に怖いやつで、もう観たくない! みたいなのをやってみたい」と目を輝かせていた。(取材・文・写真:桜井恒二)

 映画『嘘を愛する女』は、1月20日より全国公開中。