【写真】吉二郎、ついに…『西郷どん』第38回「傷だらけの維新」フォトギャラリー
幕末から明治時代の動乱に身を投じた兄・吉之助とは対照的に、貧乏に追い込まれる西郷家のために、畑仕事や内職に勤しみ続けた吉二郎。吉之助が日本中をほん走する間、兄に代わり家族を守ってきたのは吉二郎だ。渡部は、兄・吉之助をどう捉えていたのか。
「相撲でお殿様を投げ飛ばしてしまったときは、本当に“何やってんだ”“あぁ本当に切腹だ”っていう気持ちになりました(笑)。でも(吉之助が)江戸に勤め始めてからは、薩摩のため、お殿様のために仕えているお兄さんの家を、僕が守らなければいけないという感情ですね」。
江戸や京へ赴き、時には島流しにも処される吉之助と、かたや家族を守るために身を費やしてきた吉二郎。吉之助が家にいない期間で、兄に対する思いに変化はなかったのか。
「吉之助の変化は感じますよ。“太ってきたなぁ”とか“腹おっきくなってきなぁ”とか(笑)。でも、根底は変わらないですね。吉之助は藩の中で、役職として風格が付いてくるけど、兄としての気持ちは変わりません」。
そんな吉之助の弟を演じるにあたり、渡部は監督からは「優しい弟であってください」と声を掛けられたという。しかし、10月14日放映の第38回「傷だらけの維新」では、吉二郎もついに従軍し、戊辰戦争へ。渡部は初めての軍装に「第38回にしてようやく3着目の衣装をいただきました(笑)」とにこやかに話しながらも「やっぱり、常に侍なんですよ」と吉二郎の心境に思いを馳せる。
これまで兄や弟の信吾(錦戸亮)を見送る側だった吉之助も、初めて妻・園(柏木由紀)ら家族から見送られる側となった。西郷家を離れるシーンについて「ほんとに“この家を頼んだぞ”という気持ちでした。園さんがすごいしっかりしてくださっていたので、ここは変わらない、行っても大丈夫だと自然に思えたんですよね。なので園に甘えたんだと思います」と、柏木演じる園の存在感を強調した。 8月5日放送の第29回「三度目の結婚」から本編に登場した園との共演シーンは少ない。だが、「柏木さんは大河ドラマが初めてで、現場で緊張からか萎縮されているように思えた」という渡部はなるべく話しかけるように心がけ、合間も使って夫婦の空気感を作り上げた。そうした理由は自身の経験にあるという。
「私も2012年の『平清盛』に出演したとき、物語の途中からの参加だったんです。自分としても撮影現場での役回りが欲しいじゃないですか。
そう語る渡邉の笑顔には、実体験に基づく優しさと気遣いがにじみ出ている。彼は、自身の家族とはどういう関係を築いているのだろうか。
「僕には吉二郎と信吾の間と同じ10歳下の弟がいるんです。弟が赤ちゃんのころ、僕がミルクをあげて、オシメを替えて、お風呂にも入れて。そんな弟も、今22歳になって働いていますけど、気持ちはあの時のまま。しっかりしてくれていますけど、弟は弟。家族って不思議ですよね」。
さらに、「私も2年前に結婚しまして、家に奥さんがいるんですけど、元はお互い他人なわけです。だけど、この人がいてくれるから、今自分がこうやって仕事できてるんだなとも思えます。
渡部演じる吉二郎が戊辰戦争に挑む大河ドラマ『西郷どん』第38回「傷だらけの維新」は、NHK BSプレミアムにて14日18時、総合テレビにて同日20時放送。