2016年6月に乃木坂46を卒業し、同年9月より女優として本格的に活動を開始した深川麻衣。あれから3年、2017年『パンとバスと2度目のハツコイ』で映画初主演を務め、2018年にはNHK朝ドラ『まんぷく』に出演、さらに2019年には『日本ボロ宿紀行』(テレビ東京)で地上波連ドラ初主演を果たすなど、まさに順風満帆のキャリアを積み重ねてきた。
そんな深川が、阿部寛主演ドラマの続編『まだ結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系全国ネット/毎週火曜21時)に謎多き隣人役として出演する。同作の大ファンだったという深川が、その一員になれた喜びとともに、充実した女優業と自身の結婚観について思いを語った。

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 2006年に放送され、大反響を呼んだ『結婚できない男』の13年ぶりの続編となる本ドラマは、53歳になった今もシングルライフを謳歌(おうか)する一級建築士・桑野信介(阿部)と、彼を取り巻く新たな女性たちとの交流を描くヒューマンコメディー。事務所経営に四苦八苦しながらも前向きに生きる独身弁護士・吉山まどか役を吉田羊、離婚裁判を通して桑野と偶然知り合った心優しいカフェの雇われ店長・岡野有希江役を稲森いずみ、そして、桑野のマンションの隣に越してきた謎の女性・戸波早紀役を深川が務める。

 前作を高校生のときに観ていたという深川は、「桑野さんの言動や、周りの人たちとのやりとりが人間ドラマとしてすごく面白くて、『今回桑野さんは何をしてしまうのだろう?』と毎週、放送を楽しみにしていました」とニッコリ。大好きなドラマに出演が決まり、逆にプレッシャーが大きいのでは?と思ったが、本人は、「まずは続編があるんだという喜びの方が大きくて(笑)。もし、自分が出ていなくても絶対に観ていたと思うので、今回このドラマの一員になれたことが夢のようです。前作からのファンの方がたくさんいらっしゃるドラマなので、皆さんに楽しんでもらえるよう、とにかく全力を尽くさなければという気持ちです」と、あくまでも前向きだ。

 それにしても、深川が演じる早紀は謎が多い人物。第1話では、マスクにサングラスという怪しい出で立ちで桑野をちょっぴりビビらせる。「毎回台本が届くたびに、早紀に対して『あ、こういう一面もある子なんだ』と驚きがあるんです。真っ直ぐで、等身大の20代の女の子らしい部分もあるのですが、人がイラッとすることを悪気なく言ってしまう時があったり(笑)。
回を重ねるごとに桑野さんとのお隣さん事情も繰り広げられて行くので、ぜひ楽しみにしていてください」と期待を持たせた。 本ドラマは、もちろん桑野の日常が軸となって語られていくが、独身を貫く仕事人間・弁護士のまどかや、離婚したばかりで疲弊気味の有希江ら、それぞれの立場の女性陣が自身の結婚観に触れるシーンも随所に描かれる。

 これに対して、現在28歳の深川は、「私は、仕事に生きる“まどかさん”に近いかなと思いますね。中学生のころは、友達とまだ現実味のない恋バナをしている延長で『22~23歳くらいに結婚したいなぁ』と話していたのですが、自分がだんだん歳を重ねてその年齢になってくると、まだまだ先だなと。結婚願望はあるので、いつかはしたいと思っているのですが、何歳までにという気持ちはなくなりました」と、今は女優業に集中している様子。

 それだけ仕事が充実している証しでもあるが、乃木坂46を卒業し、女優として本格始動して3年。映画初主演作ではTAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞し、その後も朝ドラ出演、地上波連ドラ初主演と、着実に実績を積み上げ、見える景色も変わってきたのではないだろうか。

 「最初の1年間は環境もがらりと変わったので、戸惑うことが多かったのですが、今は時間の使い方や過ごし方にしても、少しは落ち着いてきたかなと思います。ただ、このお仕事は、作品ごとに“初めまして”の連続なので、それはこれからも変わらないでしょうし、そこがまた刺激的で楽しいところでもありますね」。

 最後に「3年間、女優としてがんばってきた自分を褒めてあげるとしたら?」と問いかけると、「いや、むしろ反省だらけの毎日です。追求していかなければいけないことがたくさんありすぎて…。でも、しいて言えば、体が丈夫なことですかね。
撮影が始まると、スケジュールが詰まってくるので、“体が強い”というところは結構大事な部分。そこだけは褒めてあげたいですね」と笑顔で答えてくれた。(取材・文:坂田正樹 撮影:松林満美)

 ドラマ『まだ結婚できない男』は、カンテレ・フジテレビ系全国ネットにて毎週火曜21時より放送中。
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