WOWOWオリジナルドラマ『竹内涼真の撮休』で、個性豊かな監督陣のもと、“竹内涼真の架空の休日”を自身で演じるという、新たな挑戦を果たした竹内涼真。真っすぐでポジティブなオーラも魅力的な彼だが、「役者をやっていると、自分がどんな人間か分からなくなってしまうときがある」と告白する。
【写真】185cmの長身 竹内涼真の撮り下ろし写真
■「自然にプライベートの竹内涼真が出た」
ドラマや映画の撮影期間に突然訪れる休日、通称“撮休”を、多忙な毎日を送る俳優はどのように過ごすのか。本作は、知られざる“オフの姿”をクリエイターたちが妄想を膨らませて描くオムニバスドラマの第2弾。第1弾の『有村架純の撮休』もチェックしていたという竹内は、「すごく面白い企画だと思っていたので、僕が第2弾をやらせていただけると聞いて、すごくうれしかったです。台本をもらう前から、ワクワクしていました」と前のめりで撮影に向かったと話す。
プロデューサーと打ち合わせを重ね、「僕がいつもどんな休みを過ごしているのか、普段どういうことを考えているのかなどを話して、それを反映しながら全8話の脚本を書いていただきました」というが、あるときは妹と人生を語り合ったり、あるときはスパイス屋でセクシーな女性店主と出会ったり、またあるときは同級生とバーベキューをしたりと、あらゆるシチュエーションでの竹内涼真を楽しめる内容となった。竹内は「どれもめちゃくちゃ面白かったですね。リラックスして撮影できました」と、ほほ笑む。
自分自身を演じる上では「あまり“演じる”ということは意識しませんでした。力を抜いて、相手のリアクションに素直に反応することを大事にしていた」とのこと。「全8話を通して、今回のテーマは“巻き込まれること”だったと思います。どの話もキャラクターの濃い人たちが登場して、僕はその人たちに巻き込まれていく」と楽しそうに話す。
素直なリアクションを心掛けたことで、「友達といるとき、家族といるとき、知らない人と話すときなど、日常生活においても、相手によって自分自身の反応も変わるものですよね。今回は、自分でもその反応の違いを楽しんでいました。すると、会話のリズムやふとしたときの表情など、自然に普段の僕が出た。プライベート感もあって、今までの映画やドラマでは見せたことのない本作ならではの素顔を見せていると思います」と新たな経験ができたことを明かす。「ただ、劇中で僕の家が出てくるんですが、本当の僕の家はあんなに広くないですよ! あと寝起きが悪いシーンがあるんですが、本当の僕は寝起きがいいです。いつも早起きで、“昼まで寝ちゃった”ということはまずないです」と笑顔を見せていた。@@separator■自分自身を再認識「結構、寂しがり屋」
監督には、恋愛映画の名手と言われる廣木隆一、ドラマ『全裸監督』などを演出した内田英治、現役の大学生でもある松本花奈と、個性豊かなクリエイターが顔をそろえた。竹内は「短い期間でいろいろな監督とご一緒できるということは、なかなかないチャンス。それぞれ監督によってアプローチの仕方も違うし、とても楽しかった」と充実の表情を浮かべる。
撮影に入る前は、「監督と打ち合わせする中で、自分でも気付けていないパーソナルな部分を発見できるかも」と想像していたという。実際に撮影を終えてみると、「発見というよりは、自分自身を再認識できた」と語る。
「今回は劇中で、僕が妹や弟、友達などいろいろな人と接するんですが、“この人と接するときの僕って、どういう風なんだろう?”と考えると、“ああ、自分ってこんな人間だな”と改めて確認できた。
「結構、寂しがり屋なんだなと思ったり」とほほ笑みつつ、「僕は実際に妹と弟がいるんですが、本作にも妹や弟が出てくる(第3話『世界で一番めんどい奴ら』)。弟は佐野勇斗くんが演じているんですが、まさにこんな感じ!という掛け合いができました。同級生が出てくるエピソードでは、“同級生といるときの自分は、こういう立ち位置だな”とも感じました」。さらに一番大きな気付きは、「やっぱり僕は、演技をすることが大好きなんだなと思いました。いろいろな人と1つの作品をつくるという、この時間が大好きなんだなって」と特別な時間になったという。@@separator■がむしゃらだった『仮面ライダードライブ』の撮影
2014年、『仮面ライダードライブ』の泊進ノ介/仮面ライダードライブ役で主演を務め、注目された竹内。『下町ロケット』(TBS系)やNHK連続テレビ小説『ひよっこ』、『過保護のカホコ』(日本テレビ系)など話題作で知名度を上げ、『テセウスの船』(TBS系)での熱演も光るなど、一歩一歩、役者道をまい進してきた。
若手勢の登竜門としても知られている『仮面ライダー』シリーズだが、竹内は『仮面ライダードライブ』でどんなものを手にしたのだろうか。
「現場に飛び込んで1年半、同じ役を演じさせていただきました。最初は何も分からず、ただただがむしゃらだった。でもそこでもがいたおかげで、今はっきりと“この仕事が好きだ”と言える自分がいます」と断言する。「何者でもなかった僕が、毎日のようにスタッフさんと一緒に撮影に励んで、それがテレビで流れる。
それから6年。「仕事の仕方、仕事への意識もまったく違う」と変化を実感しているという。「『仮面ライダードライブ』では、周りの方が僕を育ててくださいました。ライダーファンの人や子どもたちがいないと、“へっぽこ”だった僕はライダーにはなれなかった」と振り返る。「作品を重ねるごとに、自分がどうしたいのか、何をすべきなのかも見えてくるもの。今は“助けてもらう”という意識ではなく、自分からも発信していくことが大事だと思っています。事務所の先輩の藤原竜也さんや鈴木亮平さんの姿を見ても、この仕事や演技について、ものすごく知識が深いなと思うんです。僕ももっと勉強しないといけないと思っています。基本的に勉強は嫌いな僕ですが、好きなことだからこそ、勉強も楽しい!」と力強く、前を向いていた。(取材・文:成田おり枝)
WOWOWオリジナルドラマ『竹内涼真の撮休』は11月6日スタート。