2020年は新型コロナウイルスによって、大打撃を受けたエンタメ業界。例年は4クール放送される民放ドラマも、撮影の中断や遅れから大幅なスケジュール変更を強いられた。
【写真】匠海、健史、佑、太賀、洸平、磯村 イケメンなだけではない魅力あふれる“2020年ブレイクの顔”
◆ドラマに映画に引っ張りだこ! 注目の若手俳優
◎北村匠海――演技と歌の活躍で一気にブレイク俳優筆頭に
『サヨナラまでの30分』や『とんかつDJアゲ太郎』など、実に4本もの映画主演作(ダブル主演作含む)が2020年に公開された北村匠海は、ブレイク俳優の筆頭株だ。北村は、9歳でCMデビューを果たすと、子役として活躍。2017年には、浜辺美波とダブル主演した映画『君の膵臓をたべたい』の「僕」役で第41回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞した。
2020年は、松岡茉優と三浦春馬さんが出演したドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系)で、松岡演じる九鬼玲子に恋をする板垣純役を好演。映画『思い、思われ、ふり、ふられ』では山本理央役を演じ、観客をキュンとさせた。また、北村がボーカルとして活動する、ダンスロックバンド・DISH//の楽曲「猫~THE FIRST TAKE ver.」が「第62回輝く!日本レコード大賞」で優秀作品賞を受賞。「猫」はテレビ東京にてドラマ化されるなど、俳優・歌手両面で注目を集めた。
2021年もその快進撃は止まらない。1月21日から放送されるドラマ『にじいろカルテ』(テレビ朝日系/毎週木曜21時)に出演するほか、主演を務める映画『東京リベンジャーズ』や『砕け散るところを見せてあげる』の公開も決まっている。
◎岡田健史――少年から青年へと成長 男らしさも魅力
2018年放送の有村架純主演ドラマ『中学聖日記』(TBS系)で鮮烈なデビューを果たした岡田健史も2020年に大きく飛躍した俳優のひとりだ。岡田は今年、4本の映画に出演。堤幸彦がメガホンを取り、堤真一が主演した映画『望み』では、事件に巻き込まれて行方不明となる息子・規士役で登場。ケガによって夢を断たれ、焦りと苛立ちを隠せない思春期の高校生という役どころを見事に演じきり、俳優デビュー3年目とは思えない、確かな演技力を見せつけた。
ドラマ『MIU404』(TBS系)には、警視庁刑事部機動捜査隊に配属されたキャリア組の警察官・九重世人役で出演。橋本じゅん演じる陣馬耕平とバディを組み、数々の事件を通して成長していく姿を丁寧に演じ、物語に深みをもたらした。
2021年には、NHK大河ドラマ『青天を衝け』に尾高平九郎役での出演も決定。さらに、1月13日から放送されるドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系/毎週水曜22時)にも出演するほか、劇場版『奥様は、取り扱い注意』でもその姿を拝める。◆ヒロインの相手役でも確かな存在感 実力派俳優たちの萌え演技が話題!
◎柄本佑――醸し出す“大人の色気”に落ちる視聴者続出
今年は、実力派俳優たちが、ヒロインの相手役として注目を集めることも多かった。柄本佑もそのひとり。父親は柄本明、母親は角替和枝さん、そして妻は安藤サクラという柄本が注目されたのは、2020年1月期に放送されたドラマ『知らなくていいコト』(日本テレビ系)での演技だ。
同作で柄本は、吉高由里子演じる真壁ケイトの元彼のカメラマン・尾高由一郎役で登場。
◎仲野太賀――“まこっちゃん”推しの大声援を受け恋愛ドラマでも頭角
森七菜と中村倫也が出演したドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)で、森が演じる樹木に一途に恋する新谷誠を演じた仲野太賀も、2020年に再注目された俳優だ。誠は、「当て馬だけど、主人公と結ばれてほしい」と視聴者から熱烈に応援されるというかつてない現象を巻き起こすほどの愛されキャラ。一緒にバカをやって盛り上がることができて、真っ直ぐに思いをぶつけてくれる、女子の「好き」が詰まった人物だが、それをより魅力的な人物に仕上げたのは仲野の演技力あってこそのことだ。
仲野は、俳優の中野英雄の息子で「二世俳優」であるが、13歳でデビューして以降、着実に経験を重ね、確かな実力をつけてきた。2021年は『すばらしき世界』と『あの頃。』の2本の出演映画の公開も決定している。◆ハマると抜け出せない!? 新たな“沼”俳優が誕生
◎松下洸平――“八郎”“青ちゃん”二作連続で沼落ち女子が続出
どハマりする視聴者が多く、コアなファンを量産している“沼”俳優としてピックアップしたいのが、松下洸平だ。松下は、2008年にシンガーソングライターとしてデビューし、その後は舞台・ミュージカルを中心に活動していた。注目を浴びるきっかけとなったのは、2019年後期に放送されたNHK連続テレビ小説『スカーレット』。
そんな松下の人気をさらに高めたのが、10月期に放送されたドラマ『#リモラブ』(日本テレビ系)だ。同作はコロナ禍での恋愛模様を描いたラブコメディで、松下はヒロインの恋の相手役である青林風一を演じた。生真面目で不器用ながら優しく穏やかな空気を持ち、真摯(しんし)に相手と向き合う青林の姿に、「八郎」に続いてハマる視聴者が続出したことも記憶に新しい。2021年は、1月7日から放送のドラマ『知ってるワイフ』(フジテレビ系/毎週木曜22時)や舞台『カメレオンズ・リップ』への出演、さらに延期になっていた映画『燃えよ剣』の公開も控えている。また、1月10日からはシンガーソングライターとしてライブツアーも開催されると多方面での活躍が続く。
◎磯村勇斗――“赤坂くん”に全世代女子が悶絶
魅力的な俳優たちが集結し、「もはや沼しかない」と話題になったドラマ『恋する母たち』(TBS系)で、ひときわ熱視線を向けられたのが、磯村勇斗であろう。磯村もまた、松下同様、“朝ドラ”での演技が注目された俳優だ。磯村が演じたのは、2017年放送のNHK連続テレビ小説『ひよっこ』で、有村架純演じるヒロイン・みね子の結婚相手となる前田秀俊。不器用で奥手ながら、ひたむきにみね子を思う姿が評判を呼んだ。一方で、『今日から俺は!!』(日本テレビ系)では極悪非道な相良猛役で強烈なインパクトを残し、『きのう何食べた?』(テレビ東京系)では、ゲイの恋人をかわいいワガママで振り回す“ジルベール”井上航を演じ、その演技の幅も話題になった。
『恋する母たち』には、吉田羊が演じる優子と恋に落ちる会社員の赤坂剛役で出演。上司で年上の優子に、猛アプローチをかける姿に多くの女性が胸キュン。かわいらしさを持ちながら、ちょっと強引で男っぽさも見せる赤坂は、“理想の年下男性”を体現したかのような人物。“沼”に落ちるのも必然とも言える。そんな磯村は、2021年は『東京リベンジャーズ』『劇場版 きのう何食べた?』『ヤクザと家族 The Family』という3作の映画公開を控えている。
どの俳優も2020年の大躍進の勢いそのままに、2021年も出演作が多数控えている。このまま、さらなる輝きを見せてくれることを期待したい。(文:嶋田真己)