年女とは、その年の干支生まれの女性のことで、縁起が良く、幸運が続くとされている。では、2021年の干支である丑(うし)年生まれの女優には、どのような面々がそろっているのだろうか。

活躍が期待される5人の女優をピックアップしてみた。昨年の活動を振り返りつつ、今年の動向を見ていこう。

【写真】杉咲花、綾瀬はるか、篠原涼子ら2021年 年女たち

■若手演技派として群を抜く存在 杉咲花

 今年の10月に24歳を迎えるのが、2016年の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』で第40回日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞を受賞し、演技派として知られる杉咲花。彼女にとって2020年最大の出来事は、オーディションなしでヒロイン・竹井千代役に抜てきされた、現在放送中のNHK連続テレビ小説『おちょやん』だろう。大阪での撮影となるが、自身のインスタグラムにも撮影中のオフショットを多数アップしており、楽しい撮影現場であることをうかがわせる。杉咲の演技力に対する評判も上々だ。他にも、主人公の親友を演じた『弥生、三月‐君を愛した30年‐』、吉沢亮とダブル主演の『青くて痛くて脆い』と、2本の映画に出演した。

 2021年には、劇場オリジナルアニメーション『サイダーのように言葉が湧き上がる』(6月25日公開予定)で、コンプレックスを隠すマスク少女・スマイルのアフレコを担当。女優として大きく飛躍する1年になりそうだ。

■話題のドラマに多数出演 今田美桜

 3月に24歳となるのが、「Yahoo!検索大賞2018」女優部門受賞の他、インスタグラム上で最も輝いた著名人「#MVI(Most Valuable Instagrammer in Japan)2018」のトレンド部門に選出され、2018年に一気にブレイクした今田美桜。そんな今田の2020年は、『ケイジとケンジ 所轄と地検の24時』(テレビ朝日系)、『SUITS/スーツ2』(フジテレビ系)、日曜劇場『半沢直樹』(TBS系)、『親バカ青春白書』(日本テレビ系)といった話題のドラマのみならず、『ヲタクに恋は難しい』『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』の2本の映画に出演。さらに、ニホンモニターが発表した「2020タレントCM起用社数ランキング」で女性タレント部門1位に輝いた。
まさに大活躍の1年だったといえる。

 2021年は、週刊少年マガジンで連載中の人気漫画の実写化『東京リベンジャーズ』にヒロイン役での出演が決定している。この勢いは、まだまだ止まりそうもない。

■ドラマで着実に力をつける 小芝風花

 4月に24歳の年女となるのが小芝風花。2011年に「ガールズオーディション2011」でグランプリを受賞し、芸能界入りをした小芝は、連続ドラマ初主演となった『トクサツガガガ』(NHK)で見事なコメディエンヌぶりを発揮し、社会派ミステリードラマ『歪んだ波紋』(NHK BS)での薄幸の寡婦という難しい役を演じ切るなど、どのような役柄でもこなせる女優として知られる。そんな小芝の2020年は、連続ドラマ『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)のヒロイン役のほか、主演を務めた連続ドラマ『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)、主演ドラマ『書類を男にしただけで』(TBS系)と、主演作が相次いだ。さらに、4月からスタートしたNHKラジオ第2の『おしゃべりな古典教室』にレギュラーとして出演し、NHK BS1でスタートしたばかりの『千鳥のスポーツ立志伝』ではナレーションを担当と、声の仕事も多かった。
 
 2021年は、『妖怪シェアハウス』と同じ土曜ナイトドラマ枠の『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』(テレビ朝日系)への主演が決定。ヒューマンドラマの名手・橋部敦子の脚本を、小芝がどう演じるのか注目される。■主演作が目白押し 綾瀬はるか

 3月に36歳を迎える綾瀬はるか。これまでの綾瀬を振り返ると、連続ドラマ『ホタルノヒカリ』(日本テレビ系)シリーズ、NHK大河ドラマ『八重の桜』『いだてん~東京オリムピック噺~』、連続ドラマ『きょうは会社休みます。』(日本テレビ系)など、そのキャリアの大半が主演とヒロインで占められている。
まさに、作品の華そのものである。そんな綾瀬の2020年は、人気ドラマ『義母と娘のブルース』(TBS系)の2020年謹賀新年スペシャルのみと、作品的には少なかったが、CMで頻繁に目にしていたからか、そこまで久しぶり感はなく2021年に突入する。

 本年は、日曜劇場『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS系)で、サイコパスな殺人鬼の男と魂が入れ替わる捜査一課の女性刑事を演じるほか、2017年の連続ドラマ『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)の映画版、東日本大震災10年特集ドラマ『あなたのそばで明日が笑う』(NHK)に主演と、主役の作品が目白押し。これまで以上に綾瀬はるかを目にする機会が増えそうな1年だ。

■肝っ玉キャラが抜群に似合う 篠原涼子

 8月に48歳となる篠原涼子の2020年は、彼女の代表作の1つである『ハケンの品格』(日本テレビ系) 第2シリーズでスタート。篠原は13年前の第1シリーズ同様、伝説のスーパーハケン、大前春子にふんした。今回の春子は特Aランクから特Sランクのハケンにパワーアップしているだけでなく、彼女に降りかかってくる問題もパワーアップ。篠原涼子による篠原涼子のためのドラマと評されるほど、篠原の演技と美ぼうは圧巻であった。また、11月からスタートのNHK連続テレビ小説『おちょやん』では、主人公・千代の奉公先である芝居茶屋「岡安」の女将、岡田シズを熱演。肝っ玉母さん役がよく似合う篠原だけに、厳しくも愛をもって接し千代を支えた。

 そして、2021年は全世界配信予定のNetflixオリジナルシリーズ『金魚妻』で、不倫するセレブ妻を演じる。篠原が演じたことがないキャラクターだけに、女優としてどう一皮剥けるのか。
期待大だ。

 若手の勢いが目立ちつつも、ベテラン勢も奮闘して存在感を放つ2021年の年女。この1年も、魅力的で面白い作品をたくさん届けてほしい。(文:安保有希子)

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