乃木坂46が14、15日に神奈川県・横浜アリーナで「乃木坂46 生田絵梨花 卒業コンサート」を開催。15日公演は、12月31日でグループを卒業する1期生の生田にとって、ファンの前での最後のステージとなり、会場は終始温かい涙に包まれた。



【写真】ラストステージに純白のドレスで登場した生田絵梨花 「乃木坂46 生田絵梨花 卒業コンサート」ライブフォト(15枚)

 加入当時の生田が語る様子を映したVTR明け。開演を告げる「OVERTURE」に続き、スポットライトを浴びて会場後方のステージから花道を通り、メインステージを目指して歩き始く生田。会場からの盛大な拍手を受けた彼女の目には、すでに涙が光っていた。

 ステージに設置された真っ白いグランドピアノの前に座り、生田は1人で「あなたのために弾きたい」の弾き語りを披露。しなやかな指さばきで鍵盤を弾き、優しい歌声を場内に響かせる。

 演奏後に生田はステージ中央で客席へ向かい深々と一礼。ステージでほかのメンバーと合流し、生田をセンターに据えて「何度目の青空か?」を披露。生田がセンターのまま「制服のマネキン」「おいでシャンプー」「会いたかったかもしれない」「ぐるぐるカーテン」を立て続けに披露した。

 続くMCで、1曲目の感想を聞かれた生田は「出てくるときね。(加入当時の)10年前の自分になったような感覚だった。めっちゃ緊張して」と振り返り、「昨日もすごい寝付けなかったりしたんだけど、あったかく迎えてもらったおかげでほっこり、始めることができました。ありがとうございます」「拍手されて登場するって初めての感じでした。
うれしかった」と観客への感謝を伝えた。

 続くブロックでは、生田をセンターにして1~4期生の期別曲を披露。賀喜遥香と隣り合って登場した4期生曲「I see...」では曲中で後輩たちとほほ笑み合い、3期生曲「三番目の風」では、1人1人と目を見つめ合いながら踊った間奏パートで3期生たちが「ヘイ、いくちゃん!」と連呼して盛り上げ、与田祐希と向かい合った生田はその頬にキス。

 2期生曲「アナスターシャ」では11月に卒業発表した新内眞衣ら4人の1人ずつと手を合わせながら花道を歩き、1期生として披露した曲「白い雲にのって」では同期との絆を確かめるようにメンバーたちが体を寄せ合い、「あらかじめ語られるロマンス」と2曲続けて1期生だけのパフォーマンスを見せた。

 MC後、秋元真夏と生田で披露した「無表情」からは同期メンバーとのパフォーマンスが続く。樋口日奈和田まあや齋藤飛鳥、生田による「偶然を言い訳にして」を披露し、アンダーメンバーによる2曲「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」「13日の金曜日」に続く、「ここじゃないどこか」では、共にパフォーマンスした同期の星野みなみと目を合わせながら涙。ソロで「やさしさとは」を歌い上げた生田は、ほかのメンバーと共に「羽根の記憶」を披露した。

 3期生の梅澤美波らのMCやVTRを挟み、後半戦は生田をセンターに据えた「命は美しい」からスタート。「インフルエンサー」「シンクロニシティ」「Sing Out!」「裸足でSummer」「ガールズルール」とキラーチューンでたたみかけ、生田がメンバーとして最後にセンターを務めた曲「最後のTight Hug」で本編を締めくくった。

 アンコールを待つ客席では生田のメンバーカラーである黄色いサイリウムの光が灯る。メンバーに向けて彼女が卒業を報告した際の様子も記録された回想VTRが明け、ステージの中心に1人登場した真っ白なドレス姿の生田。スポットライトを浴びながら、卒業への思いを口にした。


 ステージで「今日は私の乃木坂46最後のステージになります。アンコールが終われば、ファンの皆さんとはお別れで、あと2週間ちょっとしたらいよいよ卒業します」と語り始めた生田は「10年間見守ってくださった皆さま、本当にありがとうございます」と感謝。

 活動を振り返り「10年続けて来られるとは、加入した当初は思ってもいませんでした。入った当初、今でこそ私は楽屋でうるさいとか、テンションが高いとかって言われるんですけど、でも最初の頃は、本当にメンバーもたぶん絡みづらいって思っている人いたんじゃないかなって思うし、後輩が入ったばかりの頃は、なんかどう接していいか分からなくて、あまり助けてあげることはできなかったんじゃないかな、なんて悔いもあります」と吐露。

 「でも、 最初そんな感じだったのに、今の私はすごい笑ってて。すごいしゃべるのが好きで。乃木坂46が大好きでたまりません。こんな人間に育ててくれたのは紛れもなく皆さんだと思っています」と感謝を伝え、「この活動は楽しいことばっかりじゃなくて。つらいことも、たくさんあったはずだけど、でも今、当たり前にあった日常がなくなるっていうのをすごくすごく寂しいです」と率直な思いを明かした。

 ファンに対しても「いつの間にか私を応援するだけじゃなくて、親みたいに心配してくれたり。一緒に泣いて笑ってくれた」と話し、後輩のメンバーについても「頼りない先輩だったと思うけど、でも気づいたら後輩たちが甘えてくれるようになって。そんな頼りある後輩たちに私もたくさん助けてもらいました」と回想。


 同期には「1期生は私が無駄絡みをしているときは、すごく迷惑そうな顔をして対応するけど、でも自分が一番弱っているときは、そばにいてくれて、そっと寄り添ってくれました。こんな温かい人たちに囲まれて、私は10年間幸せに過ごすことができました」と思いを伝えた。

 スピーチを終えた生田は、グランドピアノの前に座り、メンバーとして最後のソロ曲「歳月の轍」を弾き語りで披露し、曲が後半へ進むにつれてその目には大粒の涙がにじむ。彼女のピアノ伴奏により全員で披露した「君の名は希望」では、秋元や4期生の遠藤さくらなども目をうるませていた。

 その後のMCで「お手紙を読ませてもらってもいいですか?」と秋元が話すと、サプライズに「え、書いてくれたの!?」と驚いた生田。

 これまでの思い出やメンバーとしての感謝が述べられ、手紙の最後で秋元が「メンバーという関係性はあと少しで終わっちゃうから、その後はずっと、私たちがおばあちゃんになってもずっとずっと友達でいてください」とお願いすると、「お願いします」と生田。秋元が「いろんなところに行ってまた今みたいに、ああでもないこうでもないって言おうね。10年間、本当にありがとうございました」と伝えると生田は「ありがとう」と返し、そばでメンバーたちが見守る中、互いに優しく抱き合った。

 アンコール最後の曲「ダンケシェーン」ではライブでの披露時に定番のセリフ「やっぱ乃木坂だな」を「やっぱいくちゃんだな」とアレンジ。曲中では、生田が1期生と共に花道を練り歩き、ステージから客席に向けて「皆さん出会ってくれて本当にありがとうございます。そして、これからも乃木坂46をよろしくお願いします」とあいさつ。メンバー全員でお辞儀し、ステージに1人残った生田は「お別れは寂しいですけど、またきっとどこかで会えるのを信じています。
どうもありがとうございました」と感謝を伝えラストステージを締めくくり、会場は温かい拍手に包まれていた。

 「乃木坂46 生田絵梨花 卒業コンサート」12月15日公演のセットリストは、以下の通り。

OVERTURE
M1:あなたのために弾きたい
M2:何度目の青空か?
M3:制服のマネキン
M4:おいでシャンプー
M5:会いたかったかもしれない
M6:ぐるぐるカーテン
M7:I see...
M8:三番目の風
M9:アナスターシャ
M10:白い雲にのって
M11:あらかじめ語られるロマンス
M12:無表情
M13:偶然を言い訳にして
M14:あの日 僕は咄嗟に嘘をついた
M15:13日の金曜日
M16:ここじゃないどこか
M17:やさしさとは
M18:羽根の記憶
M19:命は美しい
M20:インフルエンサー
M21:シンクロニシティ
M22:Sing Out!
M23:裸足でSummer
M24:ガールズルール
M25:最後のTight Hug

EN1:歳月の轍
EN2:君の名は希望
EN3:ダンケシェーン

編集部おすすめ