笑点 第1号 冬の章―番組公認』

 日本テレビの人気番組『笑点』に司会者の交代説がささやかれている。

 長く腰部脊柱管狭窄症を患っている司会者の桂歌丸(75)が6月に3度目の手術を受けることになり、その後はコルセット生活を強いられ、半年間は高座に上がることが困難と見られているからだ。

 もともと働き者と知られる歌丸だけに日頃のスケジュールも忙しく、地方の小会場まで出向く寄席はもちろん、落語芸術協会の会長としての仕事などがあり、復帰後も同じペースで収録ができるかの見通しは立っていない。2006年に5代目・三遊亭圓楽から引き継いだ笑点の司会業だが、「この機に譲るのはどうか」という声は日テレ関係者からも聞かれる。

「問題は後任の人選です。例によって大喜利メンバーから選ぶとしても、司会に合いそうなタイプがいないんです」(番組ディレクター)

 そこで持ち上がっているのが『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の人気司会者タモリだという。

「視聴率が低迷する『いいとも』には3月で打ち切り説がありますので、お願いするとすればそれ次第。66歳のタモリさんにとっても、あのバカ騒ぎする番組はそろそろ厳しいでしょう。

『笑点』なら年齢に負担もない仕事で長く続けられるはず」(同)

 ほかに名前の挙がった候補は、『仮装大賞』で日テレと関係の深い萩本欽一や、過去に笑点の代理司会をやったことがある伊東四朗だというが、ある落語関係者によると「そのプランを聞いた歌丸師匠が"後任なら落語会から出すべき"と怒った」というのだ。

「師匠は大喜利が落語から発した文化だと言っていますからね。歌丸さん自身が若い時代に寄席に客が来ないときは大喜利で楽しませたという経験もあって、落語家のものだという意識が強いんでしょう」(同関係者)

 前出ディレクターはこの話を聞いて大きく肩を落とした。

「それでは難しそうですね。何しろ歌丸さんは収録でも内容には一切、口を出させない人。以前、指示を出したディレクターをクビにしたことがあるほど。

もし歌丸さんが"それはイヤだ"といえば逆らえる人はいません。落語界からというなら笑福亭鶴瓶さんの案もありますが、余計な火の粉をかぶるのは怖いので、大きい声で提案することはできませんよ」(同)

 過去、2代目の前田武彦と3代目の三波伸介も落語家ではなかったのだが、歌丸の決断はいかに。
(文=鈴木雅久)


【関連記事】
『水戸黄門』に続き『笑っていいとも!』やはり3月打ち切りか 看板番組にリストラの嵐
「録画放送でやればいい!?」苦戦の『笑っていいとも!』フジテレビに迫られる決断
アコムCM出演で失望? タモリの既存イメージと「タモリ的なるもの」