9月30日にスタートしたNHK朝の連続テレビ小説『ごちそうさん』の第1週の視聴率が、関東地区で全6話とも20%超を記録。大ブームを起こした前作『あまちゃん』を超えるヒットに、ヒロイン役を務める女優・杏が関係者に涙を浮かべながら「よかった」と報告した話が伝わっている。

「杏さんの登場は第1週のラストからで、子役の豊嶋花からバトンタッチされたものではありますが、父親の渡辺謙さんに『プレッシャーがかかっている』と相談していたそうで、謙さんから『座長なんだからしっかりしろ。視聴率が悪くてもキャリアが終わるわけじゃない』と激励されたと言っていましたから、この“あまちゃん超え”には一番喜んでいるのでは」(NHK関係者)

 『ごちそうさん』は明治から昭和初期を舞台に、東京の洋食屋の娘として食いしん坊に育ったヒロイン・卯野め以子(杏)が、偏屈な大阪男の西門悠太郎(東出昌大)と恋に落ちて大阪に嫁ぎ、食で幸せを築いてゆく物語。前作『あまちゃん』が大ヒットしたこともあり、杏がプレッシャーからナーバスになっていたという。

「多くの関係者がピリピリしてはいましたが、杏さんの緊張度はかなり深刻でした。クランク・インする前から、周囲に『ああいう大ヒットのあとだと、何をやってもダメなような気がして……』と素直に漏らしたこともあって、現場では『あまちゃん』の話は禁句のような感じになり、スタッフたちの間では『あま禁』という言葉が飛ぶほどでした」(同)

 しかし、初回の視聴率は22%で、平均視聴率が20.6%の『あまちゃん』を超えるスタート。こうなると『あまちゃん』の関連グッズバカ売れに続く、『ごちそうさん』のグルメビジネスも期待される。

NHK関係者によると「レシピ本や、スピンオフした料理番組なども企画にある」という。

「そういう派生商法ありきで立てられているドラマなので、余計に杏さんもナーバスだったんだと思いますよ。どんなにいい演技をこなしたって、関連ビジネスの売り上げにつながるかは未知数ですからね。でも、いまのNHKはダイオウイカなど、派生商法に夢中となっているので、杏さんの心中は複雑だったはず」(同)

 ただでさえ、朝の連ドラの主役が受けるプレッシャーに加え、全国中が注目する『あまちゃん』の後枠として担ったヒロインの座だが、NHKの思惑まで気にしなければならないとは人気女優も大変だ。
(文=ハイセーヤスダ)