もう、おもちゃ屋さんはオワコンの業界なのか。

 昨年破綻した、アメリカの大手玩具販売チェーン・トイザラスがアメリカ本土での営業継続を断念し、735店舗すべてを閉鎖か売却する方針を固めた。

破綻以降、経営再建の道も探られていたが、年末商戦の不発で息の根を止められた格好だ。さらに22日、このタイミングで有名創業者のチャールズ・ラザルス氏が亡くなったという悲しいニュースも飛び込んできた。

 日本事業を担う日本トイザらスは、事業を継続するばかりか、今後も新規出店を計画する強気の姿勢を示しているが、取引のある企業には不安の声もあり、関係各所から説明を求められているという。

 トイザらスが、日本に上陸したのは1991年。折しも、時代は日米貿易摩擦の最中。巨大な面積を持つ店舗の進出は、おもちゃ業界では「平成の黒船来襲」と呼ばれ、全国各地では猛烈な出店反対運動も起こった。


 それから30年あまり。反対運動を行っていたようないわゆる“街のおもちゃ屋さん”は、時代の変化と共に、ほとんど姿を消してしまった。

 その「黒船」もまた、時代の変化の中で交代を迫られたというわけだ。

「米本土での破綻は、ライバルとなる量販店やネット通販が増加したこと。ゲームも、ネット配信が主流となり、おもちゃの販売が苦しくなるのは当然といえるでしょう」(おもちゃ業界の関係者)

 日本でも、近年は家電量販店でのおもちゃの取り扱いが増加し、Amazonなどのネット通販の普及。加えて、少子化の影響も加わり競争は激化しているという。


「日本トイザらスも、近年は売り場面積の広い大規模店ばかりではなく、ショッピングモールの一角に入居する小規模店のテナント出店を積極的に進めている。いずれにしても、少子化で少ないパイを奪い合うのは一苦労ですよ」(同)

 現在、株式の8割以上をアメリカ本社が傘下企画を通じ間接的に所有する日本トイザらスだが、今後は資本関係が変わることになる。厳しい販売競争の中で、かつての「黒船」はどんな展開をみせるのか。