こぶしファクトリー

 世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響は、日本のエンタメ業界にも及んでいる。特に影響が大きかったのは女性アイドル業界だ。

 AKB48は2月1日、大阪市内で大規模な握手会を予定していたが、メンバーならびに来場者の体調管理を考慮し、開催を延期した。SKE48も2月2日に開催予定だった握手会を延期。日向坂46も2月1・2日のイベントを延期している。

 さらに、ハロー!プロジェクトのアンジュルムもまた2月1日に開催予定だった握手会・チェキ撮影会などのイベントを延期。同じくハロプロのこぶしファクトリーは、2月1日に名古屋市内で開催予定だったニューシングルのリリースイベントの握手会を“お見送り会”に変更して実施した。

「こぶしファクトリーのお見送り会は、ミニライブ終了後、メンバーが観客をお見送りしてくれるというもの。

しかし、メンバー全員がマスクを着用し、観客にもマスクの着用を要請するのはアイドルのイベントとしては少々異様な光景でした。ただ、握手はしないもののメンバーと簡単な会話はできたので、“いつもの握手会よりちょっと長く話せた”などと喜ぶファンもいたようです」(芸能記者)

 人から人へと伝染する新型コロナウイルスによって、アイドルの“接触商法”の脆弱性が露呈することになった今回の騒動。しかし、そもそもアイドルの握手会におけるウイルスまん延の危険性は以前からささやかれていた。

「不特定多数の人と握手するアイドルたちが、何らかのウイルス感染の危機にさらされているというのは、当然のことですよ。特にインフルエンザについては、かなり危険です。だから、大手事務所はアイドルへのインフル予防接種をしっかりしているし、消毒やうがいなどのケアもしつこいくらいにやっています」(アイドル業界関係者)

 しかし、新型ウイルスが相手となると、なかなか難しい部分も多いだろう。

「握手会現場がパンデミックの場となる可能性は高いと思います。メンバーたちのケアは可能でも、来場者の感染対策を徹底するのは不可能。正直なところ、不潔なアイドルファンも少なくないし、怖い部分があるのは事実です。ウイルスの専門家でもないアイドルの運営サイドが新型ウイルスの危険性をしっかりと把握し、対応しきれるのかは甚だ疑問です。握手会の延期は運営サイドにしてみれば、とんでもないコスト負担になるし、こういったことが何度もあれば完全に破綻。もはや握手会などの“接触”をメインとするアイドル商法を根本から見直す時期が来ていると思います」(同)

 今回の新型コロナウイルス騒動が、女性アイドル業界の大きな岐路となるかもしれない。