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 若者を中心として、テレビを見ない人がどんどん増える中、久々にテレビが存在感を放った東京五輪。開会式の最大視聴率は50%を超えたほか、連日のように五輪中継が高視聴率を記録し、テレビマンは大喜びだという。

「開幕前は、こんな時期にオリンピックをやることに対して否定的な声がかなりありましたが、テレビ的には大成功でした。緊急事態宣言が発令されて外に出にくい状況でしたし、直前にゴタゴタがいろいろあったせいで、結果的に開会式にチャンネルを合わせた人も多かった。さらに最初から金メダルラッシュとなったお陰で、一挙に五輪ムードが高まりました。野球やサッカー、マラソンは視聴率が30%を超えましたし、卓球で20%以上取ったフジテレビの関係者は、『20パーを超えるのは本当に久しぶり』と、大はしゃぎしていました」(キー局関係者)

 コロナ禍での開催、しかも会場はここ日本というあまりに特殊な条件は、テレビには追い風となったよう。何とかこの良いムードを長引かせるべく、各局は五輪で活躍したアスリートを番組に呼ぶ構えだ。閉会式翌日にはさっそく『ジャンクSPORTS 緊急生放送で東京五輪メダリスト集結!舞台裏を大告白SP』(フジテレビ)、『くりぃむしちゅーの!レジェンド東京五輪メダリスト大集結!生放送SP』(日本テレビ)と、2つの特番が放送された。

「番組に呼ばれるのは当然メダリストたち。“メダルの色”も大事ですが、バラエティ番組の関係者が注目しているのは体操の村上茉愛です。体操はもともと注目度が高い上、村上は子役として芸能活動していた経歴があり、カメラ慣れしているのも強み。このほかにも、水泳の大橋悠依や空手の清水希容は有力です。ただ、大橋も清水も超マジメで、面白いことを言えるようなタイプではないようで、バラエティに出倒すイメージはありません。

 このほか、取材経験が豊富で安心してオファーできるのは卓球や柔道。

注目度的にはスケボーですが、メダリストの年齢が低すぎて、収録時間に制約が出るのはネックです」(民放バラエティ番組制作関係者)

 視聴率だけを見れば、野球やサッカーの代表選手にも話を聞きたいところだが、彼らはすぐに“本業”に戻る必要があり、それは不可能。マラソンや陸上短距離など、結果があまり芳しくなかった選手も出番はない。今回の五輪では史上最多となる金メダルを獲得した日本代表選手たちだが、関係者が熱い視線を送っているのがボクシングの入江聖奈だ。

「入江は開幕前、まったくと言って良いほど話題になっていませんでしたが、金メダルを取った後の会見で、カエルの話ばかりしたり、『大学を卒業したらゲーム会社に入りたい』と言ったりして大きな話題になりました。『ジャンクSPORTS』の特番でもトボけたエピソードを次々と披露していましたし、ボクシングというハードな競技と、ニコニコと朗らかなキャラのギャップも面白い。格闘技系は指導者やOBの声が強く、はしゃぎすぎると怒られますが、ボクシングはそういった面で比較的ユルいので、そこも問題はなく、しばらくテレビから声が掛かりそうです」(同上)

 コロナ禍はまだまだ続き、テレビへの依存度は高いまま。

テレビ業界の東京五輪は今年いっぱい続くことになりそうだ。