主演の広瀬すずと、ラブストーリー初挑戦のKing & Prince・永瀬廉が共演する火曜ドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)。人気脚本家・北川悦吏子氏が『オレンジデイズ』(同)以来、19年ぶりに手がける青春ラブストーリーで、宮崎の片田舎で育ったデザイナー志望の浅葱空豆(広瀬)と、コンポーザーとしてメジャーデビューを目指す海野音(永瀬)が、一緒に下宿生活を送ることになる物語だ。
昨年は、主演映画『真夜中乙女戦争』の公開や、民放連ドラ初主演となった『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』が話題になったほか、今年3月には『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』で声優を務めるなど、このところ俳優活動が活発な永瀬。
そんな彼の演技には、どのような特徴があるのだろうか。現在、「エイベックス・アーティストアカデミー」のシアター総合コースディレクターとして演技講師も務める演出家で俳優の秋草瑠衣子氏に『夕暮れに、手をつなぐ』の第1話を見てもらい、解説してもらった。
クールでミステリアスな印象が役にはまっている
まずは、演技解説でもなんでもないのですが、このドラマは眼福ドラマですね~(笑)。ご覧になった方は、皆さん思ったのではないでしょうか。
主演の永瀬廉さんと広瀬すずさんが、まあ~イケメン男子&かわいい女子で、お顔を見ているだけでもあっという間の1時間(笑)。同作は、そんなお2人のキャスティングが、まずとてもはまっていると思いました。
空豆は感情の起伏が激しく、本能の赴くまま、直感的に表現する。一方で、音は人を心から好きになったり、本気で怒ったり恨んだり悲しんだりしたことがない。おそらくこの正反対の2人が、お互いの足りない部分を埋めるように惹かれ合っていくお話しなのかなと想像します。
演技面では、表情の陽と陰をはっきりと表し、全身で感情を表現する広瀬さんに対し、永瀬さんは笑顔でいても、普段からどこかクールで一定のミステリアスさを感じるので、今回の役柄にとても合っていますね。お2人が並んでいる場面では、お互いの役の良さが、役者としての魅力として映ったように思います。
本能のまま動く空豆に惹かれる様を、上手に表現
音がレストランで、松本若菜さん演じるレコード会社の磯部真紀子から、「恋をしてないでしょ? 傷ついてないでしょ? 憎んでないでしょ? 恨んでないでしょ? 人、愛してないでしょ? 泣いてないでしょ?」とツッコまれ、図星を突かれてヘコむシーン。
そんな音が空豆と出会うと、本能のまま動く彼女に少し引きしながらも、惹かれていく……そんな様子を、永瀬さんは上手に表現されているなと思いました。
また、これは私の個人的見解ですが、King & Princeでの永瀬さんは、メンバーの中では冷静で真面目かつ気が利くのか、よく司会的な役回りになることが多い印象があります。
グループの現場では天然ボケをかましまくる平野紫耀さんや岸優太さん、末っ子独特の自由奔放さを見せる高橋海人さんに手をやきつつも、どこか少し憧れのような視線を送り、接していたのではないかなと(本当に私の勝手な想像ですが)。
そんな永瀬さんの控え目な優しさといいますか、ツンデレといいますか、黙って見守る視線の中に隠れた淡い憧れといいますか……そういう部分が、『夕暮れに、手をつなぐ』のお芝居でもうまく出ていますね。
それを特に感じたのは、ホテルの部屋で怪我の手当てを受けていたら、空豆が自身の失恋を明かすシーン。
映像の質感や色味もオシャレで、キャスティングや脚本も良い『夕暮れに、手をつなぐ』ですが、エンディングでダンスするお2人もかわいらしいですね。この先、2人を応援したくなるような“好感ドラマ”でした!
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