生田斗真Instagram(@toma.ikuta_official)

 俳優の生田斗真が、11月20日をもって「SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)」を退所すると発表した。故ジャニー喜多川氏による性加害問題の影響とみられる退所は、元V6の岡田准一(11月いっぱいで退所)、二宮和也(すでに退所)に続く3人目となる。

今後も俳優業中心のタレントの退所が相次ぐ可能性があり、今月中に設立される新会社を中心とする新体制にも大きな影響がありそうだ。 

 生田は事務所の公式サイトで「私、生田斗真は2023年11月20日をもって所属事務所を退所致します」「今後は独立し、フリーランスの俳優としての活動を続けて参ります」などと報告し、退所後は特定の事務所に所属せずにフリーとして活動していくと発表。11歳だった1996年から所属していた事務所を離れるという大きな決断をした。

 生田はジャニーズJr.(現ジュニア)時代に複数のユニットに参加していたが、グループとしてデビューすることはなく、ソロの俳優として活動していくという新路線を開拓。2007年に放送されたフジテレビドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』でブレイクし、2011年に主演映画『人間失格』と新垣結衣の相手役を務めた映画『ハナミズキ』でジャニーズ(当時)初となるキネマ旬報ベストテン新人男優賞とブルーリボン賞新人賞を獲得し、俳優としての評価を確立した。

 現在は事務所の看板がなくともオファーが絶えない「実力派俳優」となっており、グループの縛りもなく、すでにP&Gジャパンは「アリエール」のCMで生田個人と直接契約しているため、スムーズにフリーランスに移行できそうだ。

 性加害問題をめぐっては、各企業が旧ジャニーズ所属タレントのCMへの起用や契約更新を見送る対応が相次ぎ、出演予定だったドラマや映画でも「スポンサーが難色を示している」といった理由などで、制作に支障が出ていると伝えられている。テレビや映画、舞台のキャスティングで、旧ジャニーズタレントを避ける傾向が強まったとの声もある。

 岡田や二宮の退所はまさにその影響を避けるためのものとみられ、二宮は退所時に「1回目の事務所の会見以降、自分の活動にも多くの影響が起き始めて、正直な話、僕も怖くなったし不安な気持ちにも凄くなって」などと本音を吐露している。二宮の場合は「ソロ活動は個人事務所、嵐としての活動は旧ジャニーズ管轄」という、変則スタイルを用いてまでの独立となった。二宮クラスの人気と知名度があっても不安になるほどの影響があったとみられ、生田が続いたのも納得といえるだろう。

 同じく俳優業を中心としている旧ジャニーズタレントとしては、木村拓哉風間俊介が挙げられる。

どちらもグループに所属しておらず、活動の制限を受けてまで現事務所に所属しているメリットはない。また、退所を決めた3人は既婚者で家庭があるという共通点があり、木村や風間も同じく家庭持ちだ。事務所への恩義もあるが、それ以上に家庭を守らなければいけないという責任があるはずで、そうなれば木村と風間が後に続いてもおかしくないだろう。

 しかし、木村に関してはSMILE-UP.が週刊誌の記事を否定した際の声明で「新たに設立する会社とのエージェント契約も準備が出来次第締結する予定でいた」と公表しているため、独立や移籍はせず、そのまま新体制へ移行するのはまず間違いない。風間についても、業界内では「残留でほぼ確定」との見方が強いようだ。

 となると、これで俳優部門の人材流出は打ち止めとなるのか。

だが、業界内では二宮が「グループに籍を置きながらソロ活動では独立する」という新しい道を切り開いた影響で、意外な退所者が出るとの指摘がある。その筆頭格とみられているのが、幅広い分野で活躍しているSexy Zone菊池風磨だ。

 菊池はバラエティのドッキリ企画などで人気と知名度を高めたが、最近は放送中のドラマ『ゼイチョー ~「払えない」にはワケがある~』で主演を務めるなど俳優としても注目され、生田と同じくCM起用されているP&Gジャパンとは直接契約している。一時期、菊池は旧ジャニーズの「幹部候補生」のようなポジションになっていたが、新体制の核となるエージェント会社は外部から社長を招聘することが決まり、新会社で菊池の扱いがどうなるのかは不透明だ。そうなると、グループに残ったまま独立したほうが動きやすくメリットが大きいため、独立説が急浮上しているようだ。

 さらに、以前から独立説があったKAT-TUN亀梨和也や、Hey! Say! JUMPの山田涼介については「グループ愛が強いので独立はない」との意見があったが、グループに所属したまま独立することが可能となれば話は別。

どちらもドラマや映画でのソロ活動が目立っており、いつ独立してもまったく不思議ではない状況といえる。

 今後も有力タレントの離脱が相次ぐことになれば、旧ジャニーズ事務所の新体制は想定以上の厳しい船出となってしまいそうだ。