北朝鮮の金正恩総書記は25日、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の結成70周年に際して書簡を送り、在日朝鮮人の権益擁護と組織を担う新しい世代の育成、民族性の固守に注力することを求めた。朝鮮中央通信が伝えた。
金正恩氏は書簡で、「わが党と国家は、すぐる年代と同じように総聯を重視し保護し、その地位を強固にすることを変わらない戦略的課題とし、終始一貫堅持」していると表明。
2021年の朝鮮労働党第8回大会での党規約改正で「海外同胞の民主的民族権利と利益を擁護」することを明記し、翌年には「海外同胞権益擁護法」を制定したことは、「在日朝鮮人をはじめとする海外同胞の永遠なる保護者としての使命に忠実であろうというわが党と政府の確固不動の意志の発現」であると強調した。
そのうえで金正恩氏は、「権益の擁護、新しい世代の育成、民族性の固守は、総連が一貫して堅持すべき三大注力事業」であると宣言。
「朝鮮同胞が祖国に自由に行き来できない胸の痛む状況が持続しており、日本の国民と等しく納税義務を履行しているにもかかわらず、その子女が『高校無償化』や『幼保無償化』のような教育制度の適用から排除される悲劇的現実」があると指摘し、朝鮮学校の権利拡大や、日本人拉致と核・ミサイル開発を巡る日本政府の独自制裁で途絶えた日朝間の海上航路再開に取り組むよう指示した。
また、「新しい世代をはじめとする同胞が百度聞くより祖国の発展ぶりを一度実際に肌で感じられるように、機会あるごとに祖国訪問を実現させて、それがとりもなおさず愛国者になる修養と成長の必須過程になるようにすべき」とし、新型コロナウイルス対策の国境封鎖以降、細っていた在日朝鮮人の祖国訪問を拡大することを示唆した。