ロシアの主要閣僚が相次いで北朝鮮を訪問し、朝ロ関係が全方位で接近する様相を強めている。保健、経済協力に加え、治安・内務分野でも接触が進んでおり、両国が単なる交流を超え、事実上の戦略的協力関係を固める段階に入ったとの見方が出ている。

朝鮮中央通信は23日、ロシアのアレクサンドル・コズロフ天然資源・環境相とミハイル・ムラシコ保健相が率いる政府代表団が前日、江原道元山を訪れ、「朝ロ親善病院」の着工式に出席したと報じた。式典は元山葛麻海岸観光地区で行われ、北朝鮮側からは金徳訓内閣第1副総理、金斗元保健相、尹正浩対外経済相らが出席した。

北朝鮮とロシアは、この病院建設を両国協力の象徴事業と位置付けている。金斗元氏は、朝ロ関係が「両国首脳の関心の下で戦略的同盟へ発展した」と強調。ムラシコ氏も、病院建設は単なる医療施設整備ではなく、保健分野での長期協力の土台になると述べ、首脳間合意の履行を訴えた。

経済分野でも協力拡大の姿勢が鮮明だ。コズロフ氏は、両国関係は「平等と相互尊重、信頼に基づいている」とし、「国境は障壁ではなく開かれた通路だ」と発言した。最近進む朝ロ間の交流拡大やインフラ連結を念頭に置いた発言とみられる。

実際、両国は国境インフラ整備にも速度を上げている。北朝鮮メディアは、朝ロ国境を結ぶ自動車橋の連結工事で、着工から1年で主要区間が完成したと伝えた。同インフラは今後、物流、観光、人的交流拡大の基盤になる可能性がある。

一方、平壌では同日、ウラジーミル・コロコリツェフ露内務相率いる代表団が、最高人民会議常任委員長の趙甬元氏と面談した。

保健・経済協力とは別に、治安・内務分野まで協力範囲が広がっていることを示す動きだ。朝ロが軍事・外交協力にとどまらず、内部統治や社会管理の領域でも連携を深めようとしているものと解釈できる。

今回の訪朝は、北朝鮮が今月末に大々的に準備しているとされる「クルスク解放作戦成功」1周年行事とも重なる。北朝鮮は昨年、ロシア西部クルスク地域での作戦に派兵し、その「成功」を朝ロ軍事協力の成果として宣伝してきた。訪朝中のロシア閣僚らが関連行事に出席する可能性もあり、両国の軍事・政治的結束を内外に誇示する場となりそうだ。

制裁下に置かれた北朝鮮と、ウクライナ侵攻で西側との対立を深めるロシアが、互いの戦略的価値を高く評価している構図が一段と鮮明になっている。

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