韓国空軍が13日までに、老朽化したF-5戦闘機の全機退役時期を2030年から2027年に前倒しする方針を固めた。先日、量産1号機が完成した国産戦闘機KF-21の実戦配備拡大を念頭に置いた措置とみられる。

だが、この決定には「遅すぎた」観も否めない。

韓国空軍では近年、F-5系列機の墜落や衝突事故が相次ぎ、2000年以降の事故機だけで15機に達した。犠牲になった操縦士は16人に上る。

F-5は米国が1960年代に開発した軽戦闘機で、韓国では長年にわたり「空軍の主力の一角」を担ってきた。しかし機体の老朽化は深刻で、部品調達難や整備負担の増大が以前から問題視されていた。特に近年は、北朝鮮の脅威に備えるという本来任務より、「事故を起こさず飛ばすこと」そのものが現場の最大課題になっていたとの指摘さえある。

実際、現在の朝鮮半島の戦力バランスを考えれば、皮肉な現実も浮かび上がる。

かつてベトナムと中東に派兵され、米軍やイスラエル軍を相手に戦果を挙げたこともある北朝鮮空軍だが、今では旧ソ連系の老朽機に大きく依存したままで、稼働率や搭乗員の訓練水準にも深刻な制約を抱えている。韓国空軍は最新鋭のF-35AやF-15K、KF-16といった近代機を多数保有し、早期警戒機や空中給油機を含めた統合作戦能力でも圧倒的優位にある。

そのため軍事専門家の間では、「仮に南北空軍が全面衝突しても、韓国側がF-5の事故によるのと同じくらいの操縦士を失うかは疑わしい」との声さえ聞かれる。つまり、韓国空軍にとって最も危険だった相手は、北朝鮮ではなく“老朽化した自軍機”だったという構図である。

一方で、韓国防衛産業の象徴ともされるKF-21の開発は順調に進み、将来的に輸出の目玉になるとも期待されている。

「自主国防」の象徴として国内世論の期待も大きい。

しかし、その“成功物語”の陰で、旧式機を長期間酷使せざるを得なかった現実もまた存在した。KF-21完成までの「空白期間」を埋めるため、F-5は限界を超えて飛び続けた。そして、その代償を最も重く負ったのが現場の若い操縦士たちだったのだ。

韓国軍は近年、兵器の国産化と先端化を急速に進めている。だが、装備更新の遅れが人的損失へ直結するケースは、F-5戦闘機以外にも発生している。華々しい最新戦闘機開発の裏側で、16人の命が失われていた事実は、韓国の軍事近代化の「光」と「闇」を象徴していると言えそうだ。

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