きっかけは、26日の昼休みに、往年の仕手筋として有名な加藤暠(かとう あきら)氏(K氏)が主催している「般若の会」のホームページ「時々の鐘の音」が更新され、そこでルックが実質的に推奨されたからです。
なお、前回の更新は4月17日で、その時は明和産業(8103)が推奨され、4月16日終値409円だった株価は4月25日には888円まで急騰しました。
仕手株なら短期間で大儲けできる可能性があるなお、仕手筋とは、株価や売買高を意図的に操縦し、利益を得ようとする集団のことです。
仕手筋が動くと、企業業績とは無関係に株価は乱高下します。そして、その値動きに魅力を感じた、仕手筋(いわゆる本尊)以外の投資家(いわゆる提灯筋)の投機マネーを巻き込みながら、一定期間をかけて急騰や急落を繰り返し、結果、大幅高を演じます。
しかしひと相場終了後は、結局、企業業績に見合った株価位置に戻ってきます。「株価の里帰り」です。
ですから、仕手筋が手掛ける仕手株は、当然のことながら、長期投資に絶対に向きません。また、株価は乱高下しますので、心臓の弱い方にも向きません。
さらに、「しまったは手仕舞え」の「損切り」ができない投資家も、絶対にアンタッチャブルです。しかし、これらを心得、且つ、実践できる成り上がり願望のある投資家は、仕手株を売買しない手はありません。
なぜなら、短期間で大ヤラレする可能性が高い反面、大儲けできる可能性もあるのですから(笑)
仕手株はテクニカル分析で売買する多くの仕手筋はチャートを意図的に作ります。ですから、仕手株はテクニカル分析で料理すればよいでしょう。
ちなみに、仕手筋が好む銘柄の多くは、相場のスタート時が、株価が安い低位株で、空売りが可能な貸借銘柄で、発行株済み株式総数が少ない、時価総額の小さいものです。
ザックリいえば、スタート時の株価は数十円から200円以下、スタート時の時価総額は20億円から100億円以下が目安です。
ところで、本当かどうか分かりませんが、市場の一部では、K氏が関与している銘柄に、ルネッサンス・テクノロジーズ・エルエルシーというヘッジファンドが関与しているとの観測が囁かれています。
近年は、証券取引等監視委員会による不正調査、市場参加者の増加や海外資本の流入などにより、大規模な仕手戦は発生しにくくなっていますが、このようにヘッジファンドを絡めて、仕手戦が行われている可能性があります。
日経平均は短期的にはリバウンド中なお、全体相場ですが、7月2日前場の日経平均は続伸して始まり、取引時間中としては5月9日以来約2カ月ぶりに9100円を上回る場面がありました。ユーロ圏首脳が6月29日、金融市場の安定のために金融安全網から民間銀行に資本を直接注入できる仕組みで合意しました。これが好感された結果です。
TOPIXは6月4日、ギリシャのユーロ離脱までの最悪シナリオを織り込む格好で、バブル経済崩壊後の最安値を3年3カ月ぶりに更新しました。その後、政策期待が芽生え、過度の悲観が後退し、底入れしました。
しかしながら、6月29日現在、東証一部のPBRは0.94倍と、なお1倍を割り込んでいます。
一方、テクニカル的には、26週移動平均線(6月29日現在、9171.08円)は3週連続で上昇です。13週移動平均線(同、9015.99円)は7週連続で下降しました。
今週は12年4月6日の週の終値である9688.45円を上回らないと、13週移動平均線は8週連続で下降します。ハードルが高いため、13週移動平均線は8週連続で下降する見通しです。
29日時点において、日経平均は26週移動平均線・13週移動平均線共に下回っています。また、13週移動平均線が下向きです。このため、中期的な下落トレンドが発生中とみています。
ただし、騰落レシオ(25日移動平均)は29日現在122.88%でした。前週の111.13%から上昇しました。上昇は4週連続です。
このように、明らかにリバウンドが継続していますので、目先的な最大の戻りメドについては、5月2日の週と11日の週とで空けた窓(9207.56円~9332.79円)埋めとみています。