日信工業の株主優待は、これまで毎年3月末と9月末時点の株主を対象に実施されており、内容は「300株以上の株主に3000円相当の商品(ハム詰合せ)を贈呈。
しかし、今回の発表によると、すでに権利が確定している2019年9月末を最後に、株主優待が廃止されることになった。日信工業は、同時に配当の廃止も発表している。
廃止の理由は、日立製作所と本田技研工業が手を組み、傘下の日信工業、日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、ショーワを統合して、新会社を設立するため。それに先立って、本田技研工業は自らが筆頭株主となっている日信工業、ケーヒン、ショーワにTOB(公開買付)を実施する。
また、経営統合後の存続会社は、日立製作所の完全子会社である日立オートモティブシステムズで、日信工業、ケーヒン、ショーワは本田技研工業の完全子会社となる。
日信工業の公開買付け予定価格は「2250円」だが、本日(10月30日)株価は急騰して、前日比+400円(+22.31%)の2193円となっている。これは、10月30日15時に開示されるよりも前に、新聞報道が出たためで、日信工業だけでなくケーヒン、ショーワの株価も急騰している。
廃止される日信工業の株主優待制度の詳細と利回りは? ◆廃止される日信工業の株主優待の詳細 基準日 保有株式数 株主優待内容 3月末・9月末 300株以上 商品(ハム詰合せ)3000円相当(×年2回) 1000株以上 商品(ハム詰合せ)5000円相当(×年2回)日信工業の2019年10月30日時点の株価(終値)は2193円なので、株主優待が実施されていれば、以下のような利回りになっていた。
(300株保有の場合)
投資金額:300株×2193円=65万7900円
優待品:6000円相当
優待利回り=6000円÷65万7900円×100=0.91%
(1000株保有の場合)
投資金額:1000株×2193円=219万3000円
優待品:1万円相当
優待利回り=1万円÷219万3000円×100=0.46%
日信工業の廃止した株主優待は、個人投資家に人気の食品系で「ハムの詰め合わせ」だった。株主優待と配当の廃止は残念にも思えるが、今後、株価はTOB価格の2250円前後まで上昇することは確実。直近まで株価は1600円程度で推移していたことを考えると、株主は株主優待と配当を大きく上回る利益が出ているだろう。
日信工業は、ブレーキなどを主力製品とする自動車部品メーカー。本社は長野県東御市。2020年3月期(通期)の連結業績予想は、すべて前期比で売上高5.1%減、営業利益4.9%減、経常利益3.4%減、当期純利益3.3%増。
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※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。