テンポイノベーションの株主優待は、毎年3月末時点の株主を対象に実施されており、従来の内容は「100株以上を保有する株主に、全国共通お食事券『ジェフグルメカード』3000円分を贈呈」というものだった。
変更後も「ジェフグルメカード」が贈呈される点に変わりはないが、必要な最低株数が「100株以上」から「300株以上」にアップして、しかも「1年以上」の継続保有も必須条件となり、株主優待の権利を獲得するハードルは高くなった。ただし、贈呈される「ジェフグルメカード」の額面は「3000円分」から「5000円分」に増額される。
この株主優待の変更は、2021年3月末時点の株主名簿に記載または記録された株主から適用される。2021年3月末の株主優待の権利を獲得するには、2020年3月末、2020年9月末、2021年3月末時点の株主名簿に、同一株主番号で株主名簿に記載または記録されている必要がある。
テンポイノベーションの株主優待制度の変更前と変更後 (変更前) 基準日 保有株式数 株主優待内容 3月末 100株以上 ジェフグルメカード3000円分 (変更後) 基準日 保有株式数 保有期間 株主優待内容 3月末 300株以上 1年以上 ジェフグルメカード5000円分テンポイノベーションの株主優待利回りは?テンポイノベーションの2020年8月6日時点の株価(終値)は675円なので、株主優待利回りを計算すると、以下のようになる。
【変更前】
(100株保有の場合)
投資金額:100株×675円=6万7500円
優待品:ジェフグルメカード3000円分
優待利回り=3000円÷6万7500円×100=4.44%
【変更後】
(300株・1年以上保有の場合)
投資金額:300株×675円=20万2500円
優待品:ジェフグルメカード5000円分
優待利回り=5000円÷20万2500円×100=2.46%
テンポイノベーションの株主優待は、個人投資家に人気の「ジェフグルメカード」。これまでは100株を保有しているだけで株主優待の権利が獲得できたが、今後は、株主優待を獲得するために「300株以上を1年以上」保有しなければならなくなり、一気にハードルが高くなってしまった。
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テンポイノベーションは飲食店向けの店舗の転貸借事業を手掛ける企業。株主優待の変更と同時に発表した2021年3月期の第1四半期の業績は、売上高24億400万円(前年同期比5.6%増)、営業利益10億円(前年同期比46.3%減)、経常利益10億900万円(前年同期比44.0%減)、四半期純利益7200万円(前年同期比46.5%減)。新型コロナウイルスの影響で外食業界が打撃を受けていることから、同社も失速。2021年3月期の通期の連結業績予想と配当予想は「未定」としている。
■テンポイノベーション業種コード市場権利確定月不動産業3484東証1部3月末株価(終値)必要株数最低投資金額配当利回り675円300株20万2500円ー※株価などのデータは2020年8月6日時点。※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。