ダイナックホールディングスの株主優待は、毎年6月末と12月末時点の株主を対象に実施されており、従来の内容は「100株以上保有する株主に、保有株数に応じて年2回、『食事優待券』を贈呈」というものだった。
しかし、ダイナックホールディングスの株主優待は2020年12月末の株主に実施される分を最後に廃止される。
ダイナックホールディングスが株主優待を廃止する理由は「当社を取り巻く状況に鑑み、株主優待制度のあり方を改めて検討」した結果、廃止という決定に至ったとのこと。なお、ダイナックホールディングスは株主優待の廃止と同時に、支配株主であるサントリーホールディングスによってTOB(公開買い付け)で完全子会社化されることを発表している。しかし、株主優待はTOBの成否にかかわらず廃止されるとのことだ。
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株主優待制度の詳細と利回りは? ■廃止されるダイナックホールディングスの株主優待制度の詳細 基準日 保有株式数 株主優待内容 6月末・12月末 100株以上 食事優待券2000円分(×年2回) 500株以上 食事優待券6000円分(×年2回) 1000株以上 食事優待券1万2000円分(×年2回)
ダイナックホールディングスの2月10日時点の終値は1166円なので、株主優待が廃止されていなければ、利回りは以下のようになっていた(※年2回、株主優待を受け取った場合)。
(100株保有の場合)
投資金額:100株×1166円=11万6600円
優待品:食事優待券4000円分
株主優待利回り=4000円÷11万6600円×100=3.43%
(500株保有の場合)
投資金額:500株×1166円=58万3000円
優待品:食事優待券1万2000円分
株主優待利回り=1万2000円÷58万3000円×100=2.05%
ダイナックホールディングスの株主優待は、自社のバーやレストランの食事優待券だったが、今回廃止が発表された。残念に思う個人投資家もいるかもしれないが、TOB価格は1300円と本日(2021年2月10日)の終値1166円より11.49%ほど高いので、今後、ダイナックホールディングスの株価は1300円付近まで上昇する可能性が高い。実際、SBI証券の夜間取引(PTS取引)では一時、当日(2月10日)の終値1166円より131円も高い1297円(+11.23%)を記録しており、今後の株式市場でも注目を集めることになりそうだ。
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ダイナックホールディングスはバー・レストランの運営などを手掛ける企業。2020年12月期(通期)の連結業績は、売上高が196億9600万円(前期比47.0%減)、営業利益が60億7900万円の赤字、経常利益が60億7100万円の赤字、当期純利益が89億6900万円の赤字と、コロナ禍の打撃が大きかった。2021年12月期も赤字継続を見込む。
■ダイナックホールディングス業種コード市場権利確定月小売業2675東証2部6月末・12月末株価(終値)必要株数最低投資金額配当利回り1166円100株11万6600円ー※株価などのデータは2021年2月10日時点。※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。