コロナ禍の前に行われた20年卒の採用。果たして主要企業はどの大学から学生を採用したのだろうか。

総合商社、コンサル、金融、メーカー、流通、運輸、情報通信など主要12業種の58の企業別2020年採用大学ランキングを作成した。第6弾は主要不動産デベロッパーの採用大学ランキングをお届けする。

 就活生の親世代(バブル世代)が就活していた頃から、ずっと人気が高いのが不動産デベロッパー業界だ。バブル崩壊で多くの新興不動産デベロッパーが淘汰される中、大手不動産デベロッパーは事業の多角化によって生き残った。2010年代に入ってアベノミクスによる再開発ブームが起こり、業績を順調に伸ばしている。

 特に、東京ミッドタウンやららぽーとなどの商業施設に注力している三井不動産と、丸ビルなどオフィスビルに注力する三菱地所は、人気・業績の点で2大巨頭といっていいだろう。

 19年の主要不動産デベロッパー「採用大学」ランキングは、三井不動産は1位慶應義塾大学、2位東京大学、同率3位一橋大学と早稲田大学。三菱地所も1位は慶應義塾大学、同率2位が京都大学、東京大学、早稲田大学という順だった。

 果たして20年のランキングの顔触れはどうなったのだろうか。

三菱地所は慶應が1位堅持
三井不動産は東大が1位に

 20年はTOP3の順位に変化があった。三井不動産は東大が前年の2位から上って1位となった。2位に入ったのは前年同率3位の早稲田。

同率3位は前年も3位の一橋と前年1位の慶應だった。

 三菱地所の1位は前年に続き慶應が堅持した。2位は前年同率2位の早稲田、3位は前年5位の一橋が順位を上げた。

 両社のTOP10の顔触れを比べてみると、上位は同じような大学が並んでいるが、下位は様相が違っている。三菱地所は、TOP10の顔触れが、旧帝大、一橋、東京工業大学、神戸大学、早慶上智、GMARCHに筑波大学と、最難関・難関大学ばかりだ。優秀な人材の確保に注力している様子がうかがえる。

 一方、三井不動産は、5位に愛知淑徳大学、同率7位に前年同率9位の日本女子大学がランクイン。同社は前年のランキングでも、環太平洋大学、近畿大学、駒澤大学、相模女子大学、東北文化学園大学、奈良教育大学、梅花女子大学などがTOP10に入っており、多様な人材の確保に注力しているようだ。

*ランキング表の見方
医科・歯科の単科大等を除く全国735大学に2020年春の就職状況を調査。551大学から得た回答を基にランキングを作成した。就職者数にグループ企業を含む場合がある。大学名横の*印は大学院修了者を含むことを表す。

大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」より集計。慶應義塾大学は就職者3名以上の企業のみ公表。企業名は大学通信の調査方法にのっとって表記しているため、正式名称と異なる場合がある。 調査/大学通信

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