マーキュリアインベストメント
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「証券会社、投資ファンドで平均年収が高い企業ランキング」を作成した。上場企業を対象に、各都道府県で最も平均年収が高い会社をピックアップし、金額が大きい順にランキングしている。
早速、ランキングを確認していこう。
1位となったのは東京都に本社を置く、マーキュリアインベストメントだ。平均年収は1373万円である。日本政策投資銀行が作ったプライベートファンドで、主要株主には同行の他に、伊藤忠商事や三井住友信託銀行などが名を連ねている。ちなみに従業員の平均年齢は41歳だ。
2位は野村ホールディングス(HD)で、平均年収は1313.6万円。
3位はGMOフィナンシャルホールディングス(HD)で、平均年収は1122.8万円(19年12月期)だった。
ただ、同社の前期(18年12月期)の年収をチェックすると、774.7万円にとどまっていた。たった1年間で年収が約1.4倍に増えた計算になる。IR担当者に確認したところ、「二つの要因が重なった」という。
一つ目は、業績の影響だ。GMOフィナンシャルHDの2018年12月期は純利益77億円と、過去最高益を記録。この業績に連動する形で、19年12月期の社員の給与も上昇したという。
二つ目は一時的な要因として、賞与の支払い回数を変更したことも影響したという。
4位はジャフコグループで、平均年収は1040.4万円。同社は東京・虎ノ門に本社をかまえる、日本最大のベンチャーキャピタルだ。
5位は大和証券グループ本社で1014.8万円。2位の野村と差があるように見える。
野村も大和証券も、会社の形態は「ホールディングカンパニー」だ。ホールディングカンパニーは「持ち株会社」とも呼ばれ、傘下のグループ企業を「親会社」として統制する役割がある。
そこで働く従業員もグループ企業の「エリート層」であり、事業の運営会社に比べ、少人数であることが多い。このため、総じて平均年収も高額になる傾向がある。
先ほど紹介した野村の場合は、従業員数が173人だ。一方の大和証券グループ本社の従業員数は、野村の3.4倍の601名だ。少人数の方が平均年収は上がりやすい傾向があることから、大和証券は大人数である割には平均年収も高いと見ることもできる。
ランキング完全版では、6位以下の計28社を掲載している。ぜひチェックしてみてほしい。