今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、情報・通信業種の上場企業を対象に「年収が高い情報・通信業種企業ランキング」を作成した。対象は単体従業員数が50人以上の上場企業で、期間は2019年12月期~20年11月期。
情報通信業界というと、プロバイダーやネットサービス、ネット広告などを扱ういわゆる「IT企業」や、固定・移動体通信のインフラを担う電話会社などが中心となるが、このほか国内外のシンクタンク、テレビ局なども含まれる。
コロナ禍で多くの業種が大幅な業績不振に陥る中、テレワークの普及など社会のデジタル化を追い風に、業績好調な企業が多い情報通信業界。業績の好不調と年収の高低はどれくらい一致しているのだろうか?
早速、ランキングを確認していこう。
やっぱり強い、テレビ局1位はTBS HD、2位は日本テレビHD、4位はテレビ東京HDと、トップ5社のうち実に3社をテレビ局が占める結果となった。HDはホールディングス(持株会社)の略である。社員の平均年収はTBS HDが1622.4万円、日本テレビHDが1401.5万円、テレビ東京HDが1324.3万円といずれも1000万円を大きく上回っている。
俗に「テレビはオワコン」などと言われるが、それでも依然としてテレビ局社員の待遇は非常に良い。ちなみに6位、7位もテレビ局だ。
3位はソフトバンクグループで1389.4万円。「携帯電話事業はそんなにもうかるのか」と一瞬驚くかもしれないが、これは携帯電話事業を手掛ける「ソフトバンク」とは別の会社である。
ソフトバンクグループは、グループ全体の投資事業をメインに行う会社で、社長は孫正義氏。従業員数は単体で224人と比較的コンパクトな企業だ。
5位は野村総合研究所で、1235.2万円。目を引くのは6353人という従業員数の多さだ。本ランキングで1000万円以上の平均年収を支払えている会社のうち、単体で従業員が1000人以上いる大企業は2社しかない。
上記の5社を含め、平均年収が1000万円を超えた情報通信企業は12社だった。
ランキング完全版では、6位以下、合計406社を掲載している。ぜひチェックしてほしい。
(ダイヤモンド編集部 吉岡綾乃)