コロナ禍を脱し、日経平均株価が過去最高値を記録するなど経済が大きく変わろうとしている。そんな中、主要企業はどの大学から学生を採用したのか。
名古屋、早稲田、九州が1位
自動車業界では一時期、半導体不足で減産や納期遅延が発生していたが、現在は回復傾向にある。2025年から26年にはコロナ禍以前に戻るとみられている。
日本の自動車メーカーは、世界での販売台数の増加や車両価格の値上げに加えて、円安の後押しなどもあり、23年度の決算で高収益を記録した。
手元の資金が増えているため、今後は研究開発や人材への投資により注力していくようだ。
22年の3大自動車メーカーの採用大学ランキングを見ると、1位はトヨタ自動車が名古屋大学、ホンダ(本田技研工業)が早稲田大学、日産自動車が九州大学だった。
果たして、23年のランキングに変化はあったのだろうか。
トヨタ・日産は地元大学が強いホンダは理系大学が上昇
23年のランキングでは、トヨタ自動車は前年に続いて1位が名古屋大学、2位が大阪大学だった。前年4位の名古屋工業大学が3位に上昇した。トヨタ自動車の本社(愛知県豊田市)に近い名古屋市の大学が上位に来ており、地元志向の強さがうかがえる。
ホンダの1位は前年5位の芝浦工業大学が上昇し、前年1位の早稲田大学と2位の慶應義塾大学は10位となった。
日産自動車は、前年と同じで九州大学が1位だった。この人気は、福岡県苅田町に巨大な工場を有している影響だろう。2位には前回5位の早稲田大学が上昇。前年ランキング外だった北海道大学が3位に浮上し、同順位に前年6位の東北大学が並んだ。
最近、自動車業界では企業の提携が盛んだ。22年、高付加価値型のEV(電気自動車)の開発・販売などを目的として、ホンダがソニーグループと合弁会社を設立した。海外では、英ロールスロイスと韓国の現代自動車が次世代航空機のエアモビリティー事業で協業するなど、枚挙にいとまがない。
そんな中、自動車業界ではCASE(コネクテッド、自動運転、カーシェアリングとサービス、電動化)という新しい潮流が生まれ、業務の幅が広がっている。EVの巡行距離を伸ばすために部材を軽量化するなど材料開発も進んでおり、化学系やIT系の学生の採用が盛んのようだ。
*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。