SCREENが1000万円超で1位に!
任天堂はまさかの年収ダウンで2位

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い会社ランキング【大阪除く近畿地方】」を作成した。対象は、大阪府を除く近畿地方(京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀の1府4県)に本社を置く企業。

単体の従業員数が20人未満の企業は除外している(理由は後述)。対象期間は、2023年5月期~24年4月期。

 それでは早速、ランキングを見ていこう。

 1位は、SCREENホールディングス(HD)で、平均年収は1024.8万円だった。半導体や液晶製造装置、印刷関連機器などを製造する企業グループの持ち株会社で、京都府京都市に本社を置く。1868年(明治元年)創業の石版印刷会社がルーツであり、現在では国内7事業所、海外にも多くの現地法人があるなどグローバル展開をしている。

 特に近年は半導体市場の活況を受けて業績が好調だ。24年3月期決算では、売上高が5049億円(前年同期比9.6%増)、営業利益が941億円(同23.2%増)、経常利益が942億円(同21.8%増)、純利益が705億円(同22.8%増)と増収増益だった。特に増益幅が大きかった影響か、平均年収は前期に比べて11.0%も増え、1000万円の大台に乗った。なお、従業員数も前期に比べて20.0%も増えている。

 2位は任天堂で、平均年収は962.7万円だった。24年3月期の業績は、売上高が1兆6718億円(前期比4.4%増)、営業利益が5289億円(同4.9%増)の増収増益だった。

 にもかかわらず、年収は前期に比べて2.3%減っている。これは前年(23年3月期)の売上高が1兆6016億円(同5.5%減)、営業利益が5043億円(同14.9%減)の減収減益だった影響もあるとみられる。

 昨年は、大阪府にあるテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「スーパー・ニンテンドー・ワールド」エリアに続いて「ドンキーコング・カントリー」エリアが誕生した。世界初の新ライド・アトラクションとあって人気を博し、客数・消費額ともに過去最高を記録している訪日外国人(インバウンド)も多く来園。任天堂のキャラクターに接する多様な機会を創出することで、ファン層を拡大している。

5位は過去最高業績のアシックス
スニーカーブームやインバウンドが追い風

 3位は三十三フィナンシャルグループ(FG)で、平均年収は941.6万円だった。同社は、三重銀行と第三銀行が経営統合して「三十三銀行」となったことによる金融持ち株会社で、三重県松阪市に本社を置く。三十三FGの社員は全員、三十三銀行からの出向者だ。

 4位はJCRファーマで、平均年収は903.5万円。同社は、バイオ医薬品の開発を行っている医薬品メーカーだ。遺伝子組み換え天然型ヒト成長ホルモン製剤の販売数量が伸びたことや、主力商品が好調に推移した結果、24年3月期は売上高428億円(前期比24.8%増)、営業利益75億円(同51.4%増)、純利益55億円(同46.0%増)と、大幅な増収増益だった。平均年収は前期に比べて2.5%増えている。

 5位はアシックスで、平均年収は898.4万円。前期に比べて年収を4%伸ばした。世界的なスニーカーブーム、ランニングブームを背景に、24年12月期決算は売上高および営業利益、経常利益、純利益いずれも過去最高を更新した。「オニツカタイガー」ブランドはインバウンドにも人気が高く、今後ますます業績が伸びそうだ。

 なお、同社は「最強オーナー企業」としても評判だ。その詳細については、記事『【その他製品69社】最強「オーナー企業」ランキング!15位ミズノ、8位アシックス、1位は?』を参照してほしい。

 ランキング完全版では、6位以下を一挙に紹介している。島津製作所やローム、オムロン、村田製作所、ニデック、京セラといった京都発のグローバル企業、シスメックス、川崎重工業、神戸製鋼所といった兵庫の名門企業、西松屋チェーンや王将フードサービス、神戸物産(業務スーパー)など人気のBtoC企業、はたまた消費者金融のアイフルなどの年収はいくらなのか、チェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド・ライフ編集部)

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