【画像】今では1000万円超えの車両も!? C130ローレルを写真で
そんなC130。発売から50年が経つことと、当時は「八の字・竹ヤリ・出っ歯」のいわゆる “族車” ベースとして人気を博しただけに、とりわけ2ドアハードトップの現存数は少なく、現在の中古価格は500万円を下らない(1000万円超も珍しくないほど)。現在の旧車バブルを象徴するモデルである。登場時の雰囲気を、当時のドライバー本誌から感じていただきたい。
豪華さと大きさがふた回りアップした
3月の初めあたりから「ちかぢかNEWローレルが発売されるゾ」というウワサが流れていたが、予想どおり4月4日、そのベールを脱いだ。スタイルを一新したのはもちろんのこと、従来のG型4気筒1,800、2,000ccエンジンに加えてL型6気筒2,000ccエンジン搭載車もシリーズに加わった。新シリーズは42車種のワイドバリエーションだ。
[driver 1972年5月20日号]
本誌72年5月20日号ではローレルのほか、レオーネ1100・1400ST、フェローMAXとともに「ニューモデル&試乗速報!!」として紹介。「ニューローレルのスタイルは、フロントはブルーバードU、サイドはライバルのマークIIとよく似ている。しかし、ややアメリカナイズされたテール部分とサイドウインドラインでローレル独自のアジを出しているところがニクイ」。全長4500㎜、全幅1670㎜(SGLは1680㎜)のボディサイズは上級のセドリック/グロリアに迫るものだった。
ローレルとしてはこの2代目で、L型(直6)エンジン搭載車を初設定。シングルキャブ仕様の最高出力は115ps/5,600rpm、最大トルク16.5㎏m/3,600rpm、ツインキャブ仕様は最高出力125ps/6,000rpm〈130ps/6,000rpm〉、最大トルク17.0㎏m/4,400rpm〈17.5㎏m/4,400rpm〉を発揮した。〈 〉内はハイオク仕様
旧プリンス時代を象徴するクロスフロー式のG型(直4)エンジンも、1800ccと2000ccに設定。後者のSUツインキャブ・ハイオク仕様は最高出力125ps/5,800rpm、最大トルク17.5㎏m/3,600rpmを発揮した。
インテリアは前傾タイプのダッシュボードが特徴で、スポーティタイプは3連丸型メーターを採用。「乗った第一印象はとにかく大きいということだ。チーク模様のダッシュパネル、厚みを増したビニールレザーのシート、皮巻き風ステアリング、木製シフトノブがなんともいえない感じだ。フェアレディZから始まった日産の “親切設計への体質改善” は、このローレルで完成を迎え、秋に発売が予想されるニュースカイラインで頂点を迎えることだろう」。
登場から1年半後の73年10月にマイナーチェンジを実施。同時に、L26型直6を積む最上級グレードの2600SGLを追加(ハードトップ120.0万円/セダン116.0万円、いずれも4速MT)。エンジンはセドリック/グロリアにも搭載されるシングルキャブ仕様で、最高出力140ps/5,200rpm/最大トルク22.0㎏m/4,400rpmを発揮した。
サスペンションはフロントにストラット、リヤはハードトップにセミトレーリングアームの独立懸架を採用(セダンはリーフリジッド)。
この2代目以後、最終型の8代目C35型系(~2003年)までスカイラインの兄弟車として日産の中核に位置したハイオーナーカー。「ゆっくり走ろう・ゆっくり生きよう」をキャッチコピーに、兄弟とは対照的な、どちらかといえば不人気車として扱われることが多かったローレル。C130ハードトップの登場時、半世紀後にここまで神格化されるなんて、誰が予想できただろう。
〈まとめ=ドライバーWeb編集部〉