スバルは2024年4月19日、半導体製造のアメリカ・AMDと協業して、ステレオカメラの認識処理とAI(人工知能)推論処理を融合し、最適な判断結果を出力可能な半導体チップの最適化を行うことを発表した。
 
スバルは2030年に死亡交通事故ゼロの実現に向けて、アイサイトの性能向上に取り組んでいる。
アイサイトが採用するステレオカメラによる認識処理はAIとの相性が非常によく、相互補完によって、例えば路上に寝た人を検出することを可能にするなど、ロバスト性(外部から影響されにくい性質)や信頼性の向上を目指すという。
 
そのために必要なのは膨大な画像(映像)情報を瞬時に処理する半導体チップである。数社の候補のなかから技術力に優れたAMDをパートナーに選び、最新のVersal AI Edge Series Gen2という半導体チップを採用することに決定した。

選定にあたり課題となり得るのが熱への耐性や導入コストだ。これらを満足しながら性能を向上させること、そしてスバル生産車の全車に適用可能であること、といった点も課題だったという。
 
スバルはAMDとともに、最先端のAI推論性能や超低遅延な演算処理を低コストで実現するため、半導体チップ最適化に向けた回路設計を開始する。
同チップに搭載された機能のうち、アイサイトで利用しない部分は削減し、必要な機能を搭載する最適化を行う。スバルが長年培ってきたステレオカメラの認識処理にさらなる性能向上を実現し、2020年代後半に登場する次世代アイサイトに搭載することを目指すという。
 
AIを利用して検知性能をさらに向上させ、演算スピードも速い次世代アイサイトの登場が楽しみだ。
 
〈文=ドライバーWeb編集部〉