8月2日にピークを迎える、今年の花火大会。
毎年8月の第1土曜日が最も開催日が多いそうで、地方で開催が多い8月中旬の旧盆まで、特に多くの花火大会が開催される。

そこで今日は、花火大会で次の花火がなかなか上がらないときに話せる、ちょっとしたお話を。

花火を乱打させる「スターマイン」。この言葉が、英和辞典に載ってないのを知ってますか?

英語で書くなら「starmine」。直訳すると「星地雷」。確かにそれらしい意味合いになるんだけど、英語にはスターマインって言葉がないらしい。一体どうしてなんだろうか。
日本煙火協会に話を伺った。
「海外の花火は、セレモニーやフェスティバルの一部として、スターマインの形式で打ち上げられることが多いですが、名前としては単に“fireworks”(花火)としか呼ばれていないようです。日本のように花火自体を楽しむという文化が希薄なので、花火についての語彙が少ないようです」

ってことは、スターマインって和製英語?
「それが諸説あって分からないんですよ。先ほどの話と矛盾しますが、海外から入ってきた言葉という説もあるほどです。ただ、日本にも昔からスターマインという打ち上げ方はありまして、以前は“菊畑”と呼ばれていました。響きがいいのか“スターマイン”に落ち着きましたが」

菊畑……なんだろこの躍動感のなさ。
追悼の念さえこみ上げてくる。
誰が呼び始めたか分からないけど、スターマインって言葉をつけた人は偉大だ。

ちなみに、花火には1個1個、菊や牡丹、柳など、さまざまな名前がついている。だから、キャラクターっぽい花火にも名前がある。ただ、そこにはキャラクターであるからこその、苦心の結果が見え隠れしていて……例えば“未来のネコ型ロボット”っぽい花火は、
「著作権の関係上、そのままの名前はつけられないんですね。なので……ドラネコとか、ネコ顔とか、キャットフェイスとか、花火師の方がそれぞれで名前をつけているようです。
そもそも“あのキャラクター”っぽく見えますが、輪郭がないという違いもありまして……(笑)」
ただ、花火大会で近くの子供が「ナントカえもんだ!」って言っても、そこは見逃してあげてください。

名前にもいろんな歴史があった、打ち上げ花火。
この夏、菊畑とキャットフェイスを楽しみに、花火大会へ行ってみてはいかがでしょう。
(イチカワ)