こないだ、交差点で右折待ちをしていたら、前に同じ車が止まっていた。なにげなく、車を眺めていると、ウインカーの点滅速度が、自分の車と微妙に車とずれていた。
全く同じ車種なのに、なぜなのだろうか?

自分が乗っている車のメーカーにある、お客様相談窓口に問い合わせてみたところ、「お客様、片側のウインカーが点灯しなくなっておりませんか?」と反対に質問されてしまった。ウインカーのうちどれかが切れると、点滅速度が速くなるようにできているらしい。確認をしてみたところ、ウインカーは全て正常に点灯していた。

改めて問い合わせてみると、「ウインカーに使われているリレー回路の部品によって、微妙に点滅速度が異なる可能性があります」との回答が返ってきた。リレー回路とは、ランプに流れる電流を一定間隔でオンにしたりオフにしたりするためのもの。この回路に使われているコンデンサー(電気をためるためのもの)や抵抗といった部品は、ひとつひとつ微妙に異なる。
これらの誤差の組み合わせによって、同じ車種でも点滅速度が微妙に異なる可能性があるのだそうだ。

では、このウインカーのずれは、大体どれくらいの範囲に収まるのだろうか? これについては、「正確に申し上げることはできませんが、例えば1分間に1回程度のずれであれば、問題ないかと存じます。技術的には、もっと正確にそろえることも可能ですが、そうすると車の部品数が増え、価格にも響いてきます。安全運転に支障をきたさない程度に品質を統一しておりますので、ご安心ください(自動社メーカー担当者)」とのことであった。

ちなみに、ウインカーの点滅速度は、道路運送車両の保安基準の中で、「毎分60回以上120回以下の一定の周期で点滅するものであること」と定められている。これ以外にも、ウインカーだけで8ページにおよぶ基準が決められているから驚きである。


点滅速度は、バッテリーの状態やエアコンのオン・オフでも微妙に変わるらしい。いうなれば、あなたがどんな風に車と付き合ってきたかを、ウインカーの点滅速度は静かに物語っているのである。
(珍満軒/studio woofoo)