2004年11月に発行された現行の紙幣は、今年で5周年を迎える。
「そうかぁ~」と感慨深く現行の千円札の裏面を見てみると、そこには見事な逆さ富士が。
こんなキレイな逆さ富士なら、一回ナマで見てみたいと思うのは致し方ないこと。
というわけで、財務省にズバリ「これ、どこで見れますか?」と聞いてみた。

すると「財務省ではどこで見られるかは特定できません」との答えが。
「え~! 財務省がデザインしているんだから、それくらいわかるでしょう。もしかして、キレイな光景を財務省の職員だけで独り占めしようとしているんじゃないの?」
とクレイマーよろしく詰め寄ると、こんな風に答えてくれた。
「実はこの図案、1935年5月2日に写真家の岡田紅陽氏(故人)が本栖湖畔から撮影した『湖畔の春』という作品をベースにデザイン化したものです。
財務省で実際に撮影したものではないので、この光景がどこで見られるかということまでは特定ができないんです。本当に申し訳ありません」
……なるほど、そういうことだったのか。変な勘ぐりをしてしまって申し訳ない。ご丁寧にありがとうございましたっ!

ああ、それにしても財務省でもわからないんじゃ、もう見ることはできないのかなあ……。とも思ったが、どうしても諦めきれないので、財務省から得た「本栖湖畔」という情報をもとに富士河口湖町観光連盟に問い合わせてみた。すると、
「千円札の富士山見える場所ですね、わかりますよ」
と、拍子抜けするほどあっさり解決。

そんなこんなで手に入れたのが、ここにアップされている写真である。
う~ん、こりゃまさに千円札の逆さ富士。

ちなみに観光連盟からいただいた情報によると、この光景が見られる場所は、本栖湖から下部温泉へ向かう国道300号線の中之倉トンネル東口付近だそう。
こんなことを聞いた日には、矢も楯もたまらずお出掛けしたくなるのは人の性(さが)。
さあ皆さん。もう、秋のドライブの行き先は決まりですな!
(新井亨)