といっても、印画紙って思った以上にたくさん種類があるので迷う。
まず、風景、花、人物。額縁に入れたり、作品として残す写真はこれらのジャンルが多いのではないか。
「そのような本格的な写真を撮るなら『クリスピア高光沢』と『絹目調』がお勧めです」(エプソン)
『高光沢』は、色再現範囲が広いため青空や海などの自然な色を表現でき、発色がいいので人肌を美しく見せるといった特徴がある。他方、『絹目調』は光沢感が抑えられているのが特徴。なので、日本やヨーロッパの古い街並み、裏通りといった落ち着いた雰囲気の情景、人物なら赤ちゃんのしっとり、やわらか肌を表現するのに向いているという。
ちなみに、筆者も『クリスピア高光沢』を使ったことがある。確かに同印画紙の光沢感は抜群で、銀塩用印画紙「RCペーパー」の仕上がりによく似ている。真っ赤に色づいた紅葉や派手めのメイクをした人物などを、思いっきり鮮やかにプリントしたいときにはいいだろう。
『高光沢』と『絹目調』、相反する特徴をもった印画紙だが、同じジャンルで作者の意図や被写体のイメージに合わせて使い分けるというわけだ。
街中や旅先でのスナップ写真、記念写真ではノーマルな『光沢』紙でオッケー。やはり、スナップは質より枚数で勝負というケースが多くなるので、あまり高価でない印画紙を使ったほうが賢い。
また、「雪景色などの柔らかい雰囲気の写真、モノクロ写真などであれば、『フォトマット』紙にプリントするのも面白いと思います」とエプソン。
同印画紙にプリントすると写真が水彩画のような独特な調子になるのだ。
自分の好きな写真ジャンルに合った印画紙を使って、今までとは一味ちがう写真をプリントしてみてください。
(羽石竜示)