日本人の温泉入浴スタイルといえば、頭にタオルをのせて湯船につかる姿。定番だし、タオルの置き場所に困って何気なくのせているのだろうが、この「頭にタオル」、意外な効果があることをご存じだろうか。


温泉の正しい知識や入浴法の普及、温泉ソムリエの資格取得ツアーを開いている新潟県妙高市赤倉温泉の「温泉ソムリエ協会」家元・遠間和広さんによると、露天風呂の気象条件に応じてタオルののせ方を変えることで、こんな効果が期待できるそうだ。

1:内湯や日差しの強い露天風呂
水に濡らした冷たいタオルを頭にのせる。のぼせやすい状況だが、これにより“のぼせ防止”になる。

2:冬の露天風呂
お湯で温めたタオルをのせる。体は温かいお湯につかっていても、頭は冷たい空気に触れて血管が収縮する危険な状態だが、これにより頭を保温できる。

3:極寒の地や吹雪の中での露天風呂
温めたタオルもすぐに冷たくなってしまうので、乾いたタオルを「ひょっとこ」のように頬かぶりする。このほうが、頭の保温になる。

なるほど、ちゃんと使い分けることによって、急な体調変化が起こりやすい入浴時、タオルは私たちの身体を守る役割を果たしてくれるというわけだ。

しかし逆に、のせかたによって身体に悪いこともあるいう。それは乾いたタオルを折りたたんでちょこんとのせること。遠間さんによると、こののせ方は、自分でも気づかないうちにタオルを落とさないようにと筋肉が緊張して、むしろ肩こりの原因になるのだとか。正しいのせ方は、頭全体をおおうようにのせることだそうだ。


私はまさに、乾いたタオルをちょこんと派。確かに、露天風呂で風に吹き飛ばされそうになったり、バランスを崩して湯船に落としそうになってあわてたり。今思えば、せっかく温泉に行ってもタオルが落ちないようにと身も心も緊張させていた気がする。なんてもったいないことをしていたのだろう。これからは正しい「頭にタオル」で温泉満喫といこう。
(ミドリ)

※湯船のお湯にタオルをつけないようにしましょう
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