最近、80年代のファッションや音楽が、再び注目を集めている(ような気がする)。当時は空前のアイドルブーム! 小学生だった私もひそかにアイドルに憧れ、チケットを手作りし、友達のバレエの衣装を借りて「ひとりリサイタル」を開催したり、かわいいサインを書く練習をした記憶がある(笑)。


もしも私がデビューできたなら、聖子ちゃんのような衣装を着て、トシちゃんとデュエットしたり、マッチの妹役でカレーのCMに出演したい……そんなかつての小学生女子の妄想を、ことごとく叶えた女の子がいたのである。その名も水島ナナ(ただし、マンガの中の女の子)。今日はそんなアラサー&アラフォーの甘ずっぱ~い記憶が蘇る、伝説の少女マンガをご紹介したい。

『歌って!ナナちゃん』『あいらぶナナちゃん』『アイドルナナちゃん』の3作におよぶ「ナナちゃん」シリーズは、80年代に学年誌で連載されていた、奥村真理子作のドタバタコメディ。当時の芸能界が舞台となっており、松田聖子を筆頭に、中森明菜、たのきんトリオ、シブがき隊、河合奈保子、早見優、堀ちえみ、チェッカーズなど当時のアイドルが本人として登場し、主人公の小学生アイドルであるナナちゃんのピンチを救ってくれたり、夢の共演!? を果たしたりする。

たとえば、新人賞用に自分で衣装のデザインをするナナちゃん。ところが、ライバルの草加玲にそのデザイン画を盗み見されてしまう。いざ新人賞の晴れ舞台に挑んだナナちゃんは、先にステージに上がった玲が、自分とほとんど同じ衣装を着ていることに気づいてガーン!! このままではみんなの前で歌えない! という大ピンチを救ってくれるのが聖子ちゃん。「私、いつも何着か持ってきているから」と未着用のかわいいドレスを貸してくれるのであった。

個人的に圧巻だったのは、ナナちゃんとシブがき隊のモッくんが、故マイケル・ジャクソンも出演する国際的な音楽祭にて、ハッピ姿で『男意ッ気』を熱唱するというシーン。結局、グランプリはオモチャー・クラブのボニー・ジョーイ(なぜかこれだけ変名)が受賞するのだが、ナナちゃん&モッくんもエキサイティングなステージを認められて特別賞を獲得するのだった……。

この記事を書くにあたってあらためて全巻読み返してみたところ、80年代のキラキラした感じがリアルに蘇ってきてじーーん。

そして、先生の描く女の子は今見ても本当にかわいい!! 長い髪と大きな目、元気で前向きで、そのくせちょっとボケの入ったキャラも絶妙。そしてリボンやお花、レースがついたロマンティックな衣装に、忘れかけていた乙女心がやや復活したような気がします………。

それにしても、作者の奥村真理子先生は今、どうされてるのだろうか? 調査してみたところ、現在、先生は故郷の石川県白山市鶴来にてカラオケ喫茶『オアシス』のママをなさるかたわら、歌謡サークル『紫陽花歌謡音楽同好会』主宰。作曲や歌の指導をするなど、音楽の世界でご活躍されているとのこと。
さっそくコンタクトし、当時のエピソードなどお話を伺ってみることに。【後編】ではいよいよ! 真理子先生ご本人が登場してくださいます!
(野崎 泉)
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