悩ましい花粉症シーズンで、不思議に思うことがある。
それは、外でマスクをしなくても平気だったのに、家に帰ってきた途端、玄関や部屋でクシャミが連発で出ること。
外よりは確実に花粉の量が少ないはずなのに、どういうわけかクシュンクシュンと。
ノーガードで花粉を浴びまくったとはいえ、どうしてノックアウトが帰宅してからなんだろう?

その理由について、花粉症の研究をしている、相模原病院臨床研究センターに話を伺った。
「さまざまな要因があるので、どう答えていいか難しいんですけど、一番考えられるのは温度の変化なんですよ。温度の変化で鼻が刺激を受けたことによって、クシャミや鼻水が出るのが、一番多いと思いますね」

花粉症の人が花粉を吸うと、数分から数十分程度でクシャミや鼻水などが出て、しばらく症状が続くとされる。つまり家に帰ってすぐのクシャミの場合は、家の中の花粉に反応したっていうよりも、外で吸いこんでいた花粉が影響した可能性が高い。だから家に入るとき、たとえ食品工場並みに花粉をシャットアウトしても、帰宅直後のクシャミを抑えるのは難しいという。


ちなみに、店や乗り物に入ってすぐクシャミが出るのも、同じように温度変化によるところが大きいんだとか。空調が整っているだけに、症状が出やすい環境といえそうだ。

他にも、屋内に入ってすぐクシャミが出る理由がある。
「外で歩いていたあと、家の中で体を止めることで、症状が出るというのもあるでしょうね」

花粉症は、交感神経が活発に働いていると、症状が出にくくなるという。交感神経が活発に働くのは、運動や緊張などをしているとき。つまり、外を歩くことで交感神経が活発に働き、家に帰って足を止めたことで、抑えられていた症状が出ることもあるってわけだ。


他にも要因はいろいろあるから、どれが個々に当てはまるかは分からない。ただ言えるのは、そもそも外で花粉とノーガードで戦っちゃダメだっていう、初歩的なこと。
マスクなど外での花粉対策は、屋内に入ったあとのためにも大切だったんです。
(イチカワ)