元気に生まれてきてくれるなら、男でも女でもいい。それは、親としての偽らざるホンネ。だけれども、性別がわかるのならぜひ知りたいと思うのもホンネだ。名前を考えたり、衣類などを揃えたりといった、出産準備をするにあたっても性別がわかっていた方が何かと好都合。
しかし、胎児の性別を教えない病院や医者は少なくない。これは何もイジワルで教えてくれないわけではなく、様々なリスクやトラブルを防ぐために、致し方ない措置といえる。
「そうはいっても、知れるなら知りたい!」。筆者も、子を持つ親のひとり。その気持ち、よ~くわかります。そこで今回は、お腹にいる赤ちゃんの性別をズバリ当ててくれると評判になっている、とあるお寺をご紹介しましょう。
JR鎌倉駅から徒歩3~4分ほど。鎌倉警察署や鎌倉生涯学習センターなどが軒を連ねる若宮大路に面したお寺。
この“おんめさま”とは、「お産女(うぶめ)さま」から転訛したもの。5世住職にあたる日棟上人が、難産で死亡してしまった産婦の霊を鎮め、産女霊神として祀ったことに由来するらしい。そこから、現在では安産祈願のお寺として広く知られるに至っている。
妊婦の知人とその夫を伴い、筆者も安産祈願に足を運んでみた。立派な門構えの入り口。鎌倉では若宮大路に面して入り口をつくることは禁止されており、こちらは裏門にあたるという。正門といわれても違和感が無いほど見栄えがいい。
鮮やかな緑と美しい花々に囲まれた通りをすぎて、見えてきたのは境内。こちらでお参りを済ませ、横にある事務所へ向かう。入ると、受付の方が出てきて対応してくれた。
安産祈願で参った旨を伝え、2,000円でお守りを購入。そして、妊婦の氏名、住所、生年月日、出産予定日を伝える。参拝の日から出産予定日まで、毎朝お寺で祈祷をしてくれるのだという。これはなんとも心強い限り。
2,000円のお守りは、保管用の「御札」、腹帯に入れる「腹帯守」、産婦の髪を結ぶお守りの「麻紐」、そして「秘妙符」がセットになっている。「秘妙符」の中には折り紙が入っているのだが、その色が白だと「男の子」、赤だと「女の子」が産まれる、とのいわれあり。
さて、今回の取材に同行した妊婦さん。渡された「秘妙符」の包みを開けてみると……。中から出てきたのは、赤色の折り紙。ということは、生まれてくるのは女の子か。「娘、か」とつぶやき、何やら遠い目をしてニヤける夫に、早くも“親バカ”の匂いを感じるのであった。
(木村吉貴/studio woofoo)