まだ7月だというのに、真夏のような猛暑が続いている。こう暑いと食欲もないので、朝ごはんは駅で缶コーヒーをグッと1本飲むだけ……なんて人も多いのでは。
そんな缶コーヒー大好き人間には衝撃的、かつ挑発的なタイトルだが、『成功する人は缶コーヒーを飲まない』(講談社+α新書)なるこんな本を見つけた。
現代人は糖分の摂りすぎで、たんぱく質不足。それが、仕事の能率にも大いに関わっている……というのが本書のおおまかな趣旨。

缶コーヒーを飲むと、カフェインの働きで気分がスッキリするのは事実。でも、その後かえって眠くなったり、頭がぼーっとしていまいち、やる気が出なかったり。これは別に「気合いの問題」ではなく、実は医学的に根拠のあることだった!という衝撃の事実が明らかにされていく。
これは、缶コーヒーに含まれる糖分により血糖値が急激に上がるため、膵臓がインスリンを大量分泌して血糖値を下げるように働き、このときに眠気や倦怠感が起きてしまうのだとか。つまり、同じ飲むなら「微糖」や「甘さすっきり」ですらない、完全に無糖のブラックのものを選ぶのがイイらしい。

また、缶コーヒーに限らず、手軽さや安さ、腹持ちのよさから現代人はおにぎりや菓子パン、麺類など「精製された糖質」で手っとりばやく空腹を満たしてしまいがち。確かに私も野菜不足は日々気にしているが、肉や魚、豆などのたんぱく質不足には無頓着だったかも……。しかし、脳の働きにはこのたんぱく質が不可欠なのだそうだ。つまり、「大事な会議やプレゼンの前に、おにぎりやうどんなどの食事は御法度」(!)というワケなのである。


版元の担当編集者さんにお話を伺ってみたところ、著者の姫野先生が雑談の中で「ビジネスと栄養って一見、関係がないように思われているけど、実は深い関係があるのよね」とおっしゃっていたことがとても印象に残り、本書の企画がスタートしたという。

本書では、あるビジネスマンの一日の食生活が「ダメな例」として挙げられているのだが、それはこんなふうである。
まず、朝食は抜きで駅で缶コーヒーのみ。昼食はお腹が空いているので、丼もの(大盛りで)など炭水化物系をガッツリ。間食にはいただきもののおまんじゅう、あるいはスナック菓子。夜は居酒屋でビールに唐揚げ、フライドポテト……。

私もこんな日、あるある!! と激しく頷いてしまったけれど、確かにこれじゃあ、たんぱく質はないに等しい。
この理論でいくと、たとえば「カップ麺とおにぎり」とか「ラーメンライス」とか最悪すぎるチョイスだったんですねぇ……。

発売後は非常に反響が大きく、「自分がふだん、いかに糖質を摂りすぎていたかわかった」「自分はダメ社員の食生活サンプルに、そのまんま当てはまっていた」「今までやる気が起きなかったり、眠くなるのはやる気の問題だと思っていたけれど、そうでないことがわかった」などという様々な感想が寄せられているという。

また、本書のオビには「ビジネスマンの食の常識・非常識」として、
1. 「会議で眠くなる人」が好むランチは●●定食
2. 「若ハゲには●●がよい」
3. 「残業時に●●を食べればやる気が上がる」
4. 「“朝勃ち”が鈍い人は●●が足りていない」
5. 「モテたいなら●●を食べろ!」
(答えは本の中で)
という5項目が載っているのだが、缶コーヒー云々よりも、むしろ「若ハゲ」や「朝勃ち」の件に反応して購入したという読者も結構いたそうだ。

本書では「成人男性が一日に必要とするたんぱく質」の一覧表や、コンビニや外食でチョイスしたいおすすめの品やメニューなども掲載されているので、明日からでも気軽にはじめられそう! 現在、モチベーション不足に悩んでいる人はもしかしたら食生活が原因かもしれないので、一読してみる価値はあるかも?? 私もとりあえず明日から間食のチョコをやめて、チーズやナッツなどのたんぱく質をつまむようにしたいと思います……。
(まめこ)