やっぱり嵐はコンサート! タラスをふきとばし嵐と笑って泣いた、国立霞ヶ丘競技場コンサートのレポート!

9/3(土)、4(日)の2日間行われた、嵐「Beautiful World」ツアーの国立競技場公演。7/24京セラドーム大阪~2012/1/15福岡Yahoo!JAPANドームまで行われるツアーの折り返し地点。
この国立競技場公演は当初9/2(金)、3(土)の日程が予定されていたが、台風12号(タラス)の接近により2(金)の公演が4(日)に変更。これは直前の8/31(水)に発表された。私は問題なく順延日に参加することができたけど、このために飛行機やホテルを手配した遠征組、仕事を調整した人は、延泊の手配などでものすごい大混乱だったよう。

4日、予報は曇り時々雨。あと2~3分で開演だという時に、パラパラ雨が落ちてきた。前日、開演直前に降り始めた雨の影響で演出が制限されたと聞いた。メンバーも打合せに参加しみんなで練り上げたというコンサート構成。天候のせいで予定変更されるのはどんな気持ちなんだろうか……不安な気持ちで開演を待つ。ドーン! ドーン! と低音がおなかにくるオープニング映像。嵐はどこ? どこ? ……いたぁーっ! メインステージのはるか上からワイヤーに吊るされて降りてくる。昨日はできなかったというフライング登場! 雨の中、飛ぶか? やめるか? 安全面を考慮し直前まできっと舞台裏はドタバタだったに違いない。空から舞い降りてくるリアル天使感……これこれ、野外の醍醐味! 雨がライトで乱反射し嵐がキラキラをまとっているようにも見える!

センターステージに降り立ち「Believe」で幕開け。
「It's a brand new world!」バーン! 特攻の花火が飛び出し嵐が踊り出すと、会場の温度が一気にあがる。そのままの勢いで「Oh!Yeah」「言葉より大切なもの」と3曲。気づけば雨もあがっている。潤「おとといはゴメンねー!」にの「コンサートできるよーー!!」。おとといはゴメンねって……なんだかデートすっぽかされた彼女気分! 直前の日程変更というハプニングはあったものの、アリーナからスタンド席を見上げると目立った空席なんてない。埋め尽くされた7万人のアラシック(嵐ファンのこと)がキラキラとペンライトを振り、ジャンプし、笑顔で手を振る光景。あぁなんて綺麗なんだろうか……もう泣けてくる。相葉「楽しいねー! 最高だねー! もっと楽しくなろうぜぇー!」大野「今年最後の国立祭りでぃっ!」翔「声をきかせてくれー!Say!ARASHI!!」。あぁ、感慨深くメソメソなんてしてらんない! ARASHI!ARASHI!とレスポンス。

7月6日発売のアルバム「Beautiful World」と同タイトルのこのツアー。アルバム曲を中心に披露した大阪・札幌公演から内容を変えて、ドラマやCMタイアップなどでおなじみのシングル曲が中心となった。「きっと大丈夫」「Happiness」「サクラ咲ケ」「Love so sweet」……セットリストの約半分がシングル曲。
シングル曲以外にも、過去のアルバムやカップリングから「僕が僕のすべて」(2008年シングル「Beautiful days」カップリング)、「Everybody前進」(2007年アルバム「Time」収録)など。過去の楽曲をやることはよくあるけれども、いわゆるコンサート定番曲ではない意外な選曲もある。

毎年参加しているコアなファンにとっては聞いたことのある曲ばかりかもしれない。ただ彼らの想いを聞けば納得できる。伝わってくるコンセプトは明確。「みんなを元気づけたい!」そんな応援ソングばかりだ。3年前からコンサートに参加している私は、まさか聞けるなんて! というウレシイ選曲でもある!

事前のインタビュー映像やツアーパンフレットなどでも「今回のツアーは、震災とは切っても切り離せない」と繰り返していたメンバー。予定していた東京ドーム公演は、消費電力を最小限におさえたイベント「嵐のワクワク学校」に差し替え、グッズの収益は被災地へ。そして、全国の小中高等学校に学校図書として寄贈され発売予定はなかった「ニッポンの嵐」を、急きょポケット版として一般発売、こちらの収益もすべて義援金とした。

潤「今日ここにいる全員に、元気と勇気を与えたい。そして帰ったら家族や友達や恋人にそのポジティブなパワーを伝えてほしい。そしたらその人がまた別の人に。
そうやってポジティブがどんどん連鎖していって、たくさんの人に元気になってほしいんだ。だから今日は僕ら一生懸命歌ってるし、踊ってる」。

もちろん、ニューアルバム収録曲の新たなパフォーマンスでも度肝を抜かせてくれた。
潤くんのソロ「Sake it!」がとにかくすごい! 素肌にボルドー色のシャツをはおり、真ん中のボタンを1つだけ留め、胸元・おへそをあらわにしながらシェケシェケ♪(shake it がシェケに聞こえる) グリングリンと妖艶に腰をまわすまわす! 盛り上がり最高潮でセンターステージが高くせりあがり、中央でひざまずきグングンッ! と仕上げの腰つきを見せてシャツをバッサー脱いだー! 最後にはカメラ目線でニヤッ。ひえー! ポカーン! ……しばらくザワザワする会場……「なんなの今のは!」と。一部始終が肉眼でしっかり見える席だった私、その綺麗なお腹と激しすぎる腰つきの衝撃に空いた口がガクガク震えていました! 潤くんのソロはそれまでポップなテクノが主流だったので、こんなの初めて!

ソロコーナーは5人5色個性たっぷりなので毎回コンサートの見どころ。相葉くんは、椅子をアイテムとして、座ったりつかまって飛び跳ねたりターンしたりと、好きな女の子に振り向いてもらえないもどかしい男子の気持ちをかわいらしくパフォーマンス。翔くんは、ハットや扇を用いたミステリアスな演出とサクラップ。大野くんは、ジャニーズJr.ふたりをしたがえ、膝の骨を抜いたんじゃないかというくらいグニャグニャのダンスを披露。……これはペンライト振る余裕もなくとにかくボーゼン、すごい。大野くんが本気を出すコンサートソロ、バラエティでのほんわかに見慣れていたから大変! そしてにのはアコースティックギター弾き語りで、バックに鳥が飛ぶ映像を背負い壮大な世界観を見せてくれました。

使用電力を昨年比7割削減したというセットはすごくシンプルで、昨年床がびしょ濡れになってスライディングできるほど放出していた水の演出も、9割が削減されたという。
確かに、水の大放出が予想された「Summer Splash!」でレインコートを着たけれどもあまり意味がなかった。しかしそれでコンサートのクオリティが損なわれることは全くない。むしろその分例年よりも嵐本人たちのパフォーマンスに集中でき、より濃い時間を過ごせたような気がした。

エンディングの挨拶が印象的。翔「今日ここに来てくれた方、来られなくなってしまった方、そして……」いつも毅然としている翔くんがめずらしく涙で口ごもり天を見上げた。「そして……応援することが出来なくなってしまった方……。この先に、みんなにとってのBeautiful Worldがあることを願っています。みんなにはずっと笑っていてほしい」

にのが言う。「Beautiful Worldっていうのは、もうあると思うんだよね。どこがBeautiful Worldとかっていう場所の問題じゃなくて、要は“誰と見るか”ってこと。家族となのか、友達となのか、恋人となのか。大切な人と見ることができるその景色が、Beautiful Worldなんだと思うよ」

8月4日、私は紛れもなくBeautiful Worldの中にいた。
嵐の笑顔、涙、そして隣にいる仲間、7万人の笑顔。アンコールで再び降った雨もすぐにやみ、ダブルアンコール「五里霧中」では「本日ハ晴天ナリ!」と天を指さし飛び跳ねながらサビを合唱。そして、2009年嵐デビュー10周年記念にメンバー全員で作詞した「5×10」でエンディング。10周年記念ソング、季節はずれではあるけれど、嵐が「今だからこそ聞いてほしいと思った」という一曲だ。
ここに立ってる僕たちが今輝けるのは、君がいるから。ありがとう――。

その言葉をそっくりそのまま嵐にお返ししたい。生きる糧をありがとう嵐! 歩くたびピキッとくるふくらはぎの筋肉痛を感じるたびに、感謝の気持ちが溢れだします。(夏トマト)
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