発売を記念して、トリコ役の置鮎龍太郎さんと小松役の朴ろ(「ろ」は王へんに路)美さんにお話を伺った。
ピュアなおっさんであってください
――今年3月に劇場版「トリコ 3D 開幕!グルメアドベンチャー!!」が公開されて、4月からはテレビシリーズがスタート。今まで演じてきたトリコと小松に対してどんな印象を持っています?
朴 鮎っちが無口な役をやっているときしか見たことないからすっごい新鮮でした。
――「鮎っち」なんですか(笑)。なんか感想を聞いたり?
置鮎 「こんな役もできるんだねー」みたいな?(汗)。
朴 そんな上から目線じゃないよー!
置鮎 トリコは見た目もマッチョだし、必殺技などで叫ぶキャラクター、相当喉に負荷もかけるかもしれない、そのなかでどれだけ演じることができるか。いまもある程度負荷はかけているんですけど慣れてきました。
朴 トリコが鮎っちと聞いたときに「なるほど」と思ったんです。ただの熱血漢ではなくて、そこに知性を持たせたかったんだと。
置鮎 今考えた?
朴 ほんとだって! 映画ではじめてトリコの台詞を聞いたときに「私の知ってる鮎っちじゃない!」とは思ったけど(笑)。
――映画でも最後に小松が出てきましたね。小松を演じてみてどうでした?
朴 オーディションのときに「ピュアなおっさんだと思ってください」って言われて、私の心にドカン! とヒットしたんです。
――珍しいフレーズですね。
朴 でしょ? 「私のなかにピュアなおっさんはいるのかな」と思いながら演じていました。小松は男の子じゃなくて20歳を超えていますからね。叫ぶときも「うわー!」とかじゃなくて「ぎょえええ!」とか。アフレコが終わったらのどが痛いんですよ(笑)。
置鮎 こだわり派だからなんども録りなおすんですよ。僕は「大丈夫なのになあ」って思っていても「もう一回いいですか?」って。
――へええ、ピュアなおっさんはけっきょく見つかりました?
朴 いまは花開きました。鼻の穴は大きいけど、小松が大好きなんです、小松が欲しい!
置鮎 欲しいんだ(笑)。
――それは料理人として?
朴 「おいで~!」って。「よくきたね~料理つくるの~?」って可愛がりたいです。
――ペット(笑)。
朴 「どうですかー?」って料理つくってきたら(低い声で)「おう、うめえじゃねえか!」って。
置鮎 トリコじゃん!
朴 だって「トリコ」のキャラクターみんな好きなんだもん。
置鮎 そりゃ僕も好きだけど。
――やっぱりお気に入りのキャラクターはトリコですか?
置鮎 もちろん! 長く楽しく演じていけたらいいなと思います。
笑わせようとかじゃなくて、おおまじめに
――アニメで好きなシーンは?
朴 ココのポイズンドレッシング!(第4話「さばけ猛毒フグ鯨! 四天王ココ登場!」に登場)
――必殺技ですか。
朴 だって、紫に変色させた手を振るんですよ。ピュって! 演じている(櫻井)孝宏も「ポイズンドレッシング!」っていい声で言うんですよ(笑)。
置鮎 ほんとうはそんなに笑うシーンじゃないんだけど。
――でもよく考えるとすごいことをやっていますよね。おおまじめに。
朴 そうそう、おおまじめなの。第3話「芳醇なる七色の果汁!虹の実をとれ!」でトリコが虹の実を食べるシーンがあるんですけど。
――味が七段階に変化する伝説の果実。トリコと小松が苦労の末に手に入れてましたね。
朴 トリコが虹の実を食べたときに七段階に変化する味を表現するんですよ。フンッ! ドンッ! って体がのけぞるの。「完熟マンゴーを数百個凝縮したような糖度!」「こんどは甘栗のような香ばしさ! 味のデパートかよ」っていちいち説明するんですよ。
置鮎 いちいちって!!(笑)
朴 食事をしていてアクションシーンみたいに「うおおお!」ってリアクションする人いないでしょって。
置鮎 俺!? そんなにおもしろかった?
朴 私と(水樹)奈々は大受けだよ。
置鮎 トリコの感性のなかではふつうだったんだけどな。
朴 それがまた面白かった。笑わせようとかじゃなくて、おおまじめに、フン! ドン! って(笑)。
聞いていてびっくりするくらい過剰に
――美味しすぎて泣き出してましたもんね。猛獣の捕獲レベルのように、置鮎さんにもおいしさの表現レベルがあったり?
朴 そんなんあるの!?
置鮎 ないです(笑)。
朴 過剰なんだよね、真剣に。
置鮎 ダメだしなの!? ねえ?(汗)
朴 違う……むしろ褒めてるでしょ!
置鮎 褒めてたんだ?(笑)。僕は「いただきます!」と言うシーンが好き。作品の原点に立ち返る気持ちがするので身が引き締まります。観ている子どもたちが“「いただきます」を大きな声で言う”と聞いて、うれしかった。
――やっぱりそういう影響もあるんですね。
置鮎 そうですね。放送を観ている人たちもお腹がすくって言いますし、もちろん収録している僕たちも(笑)。
――食事シーンは圧倒されます。
置鮎 みんなものすごい食べますからね。
――おふたりが好きな料理はなんですか?
置鮎 僕はカレーですね。基本納豆カレーを10年以上食べ続けています。
――へえ、お店で食べるんですか?
置鮎 そうですね。ココイチとか、あと朴さんのところも美味しい。
――食べに行ってるんですか?
置鮎 カフェを経営しているんですよ。
朴 そう。新井薬師で「シーラカンス」というお店をやっています。
――そうなんですか!
朴 ぜひ食べに来てください。
置鮎 カレーもいいけどチゲも美味しかった。
朴 宣伝ありがとう(笑)。
――さんまに言われましたか。いいですよね、安いのに美味しい。
朴 もう4日連続で食べています。
――はまってますね(笑)。
朴 お店に持っていって調理してもらうんです。うちの小松に。
――シーラカンスのシェフに(笑)。
朴 そうそう。粗塩があればそれだけで生きていけるくらい大好きで、塩を塗りたくってもらって。
置鮎 しょっぱそうだなー。
朴 あと捨てがたいのは白いご飯と緑茶、それとお味噌汁とお漬物。
――うわー、いいなあ。お味噌汁の具は?
朴 なんでもいいんですけど、できたらみょうがとしそがグっときます。お漬物はゆずしじみ。これが神です!
鷲尾 そう、ほんとに神ですよねー(会話の途中でいきなり乱入)。
――お?
朴 あ、鷲尾さんだー。
置鮎 急にどうしたんですか。あ、「トリコ」のプロデューサーの鷲尾天さんです。
――いつもお世話になっています。
置鮎 あれ、お知り合い?
――はい。エキレビ!では「プリキュアオールスターズDX3」の対談に出ていただいて以来です。
朴 そうなんだー!
鷲尾 はい。よろしくお願いします。
後編へ続く。
(加藤レイズナ)
「トリコ」
(集英社「週刊少年ジャンプ」連載中。原作:島袋光年)
美食が世界的流行となっているグルメ時代が舞台。あらゆる食材の知識を有し、未知の食材を探し調達してくる食のプロフェッショナル「美食屋」。その中でも腕利きのカリスマ美食屋四人を「美食四天王」と呼び、主人公のトリコもそのひとり。ホテルグルメのシェフ小松と協力し「ガララワニ」「虹の実「センチュリースープ」 など、入手困難な食材を捕獲する旅に出る!
TVアニメ―ションは、毎週日曜日AM9時からフジテレビ他にて放映中。
シリーズ構成 : 村山功 キャラクターデザイン・総作画監督 : 香川久 シリーズディレクター : 座古明史
キャスト トリコ : 置鮎龍太郎 小松 : 朴ろ(「ろ」は王へんに路)美 ココ : 櫻井孝宏 サニー : 岩田光央 ティナ : 水樹奈々 リン : 田野アサミ他