先日、人気番組『アメトーーク!』にて「広島カープ芸人」なる企画が放送されたらしい。どうやら、彼らはノッてるようだ。
何しろ、今はこんな物まで発売されているみたいなんです。

兎にも角にも、画像をご覧ください! 何とこれ、広島東洋カープが勝った翌朝の中国新聞スポーツ面を使って作成されたエコバッグだそう(1個500円)。要するに、このバッグを眺めるとカープの勇ましい雄姿、そして白星を勝ち取った姿ばかりが目に入ってくるというわけだ。
石井琢朗内野手のブログでも紹介され、注目が高まっているこのエコバッグ。マツダスタジアムの中国新聞ボールパークステーションにて、今年の4月より販売されているという。

でも、なぜこのようなバッグは生まれたのだろう? バッグの製作を担当している「広島ろう重複障害者 アイラブ作業所」(広島県広島市)に話を伺ってみた。
「かねてより古新聞のバッグへの活用を考えていた中国新聞・吉島販売所が、予備の新聞でバッグを製作してくれる作業所を探していたそうなんです。
そして結果的に、私どもに話が持ち掛けられました」(アイラブ作業所・沖本さん)
ただ、エスプリを効かせたい。そこで、地元を代表するチームである広島カープの勝利紙面を活用することにしたのだ。

ただ、不安なことが一つだけある。それは、“耐久性”についてです。だって、素材は新聞紙でしょ。
大丈夫なんですか? 重い物、入れちゃっていいんですか!?
「ええ。中身の入った1.5リットルのペットボトルを3本入れても、大丈夫なんです」(沖本さん)
それは凄い、予想以上だ。ちなみにバッグのサイズは、縦25センチ×横12センチだそうです。

そんなエコバッグは、言うまでもなくカープが勝たないと製作することができない。
「エコバッグ作りは今年からの試みなんですが、昨年度に比べて今季はカープが好調です。この仕事が、今年からスタートで良かったなっていう感じです(笑)」(沖本さん)
いや、それは本当! ちなみにカープが1回勝つと、エコバッグが10個作れるそうです。

また、意外にバッグ購入の際の選択肢は広い。
「売れ残ったエコバッグはストックされていきます。なので『マエケンが一面の日のバッグはありますか?』と探すファンの方もいるみたいです。実際、私も購入の際にマエケンのをお願いしたら、ストックの中から違うバリエーションで“マエケンバージョン”を3日分出してくれました(笑)」(沖本さん)
大人気だな、マエケンよ!

いずれにせよ、新聞独特のグレーカラーに試合内容を伝える文字の色(黒)、そこに鮮やかな赤ヘルカラーが踊るというルックスとなるエコバッグ。
……うん、ヴィヴィッドでいいじゃないですか!

最後に。エコバッグ製作の委託に関しては、当初より障害者が勤務する作業所を想定して進められたらしい。

「私どもの作業所はそれほど大きくはないのですが、広島県にただ一つしかない『ろう重複障害』をもつ仲間たちが通所し、仕事しています」(沖本さん)
毎日のお菓子作りや小物作りと共に、エコバックの製作も行っている同作業所。手話や触手話などのコミュニケーション手段を通した作業によって仲間をつくり、成長し合っているという。

広島カープは、やはり広島県民と歩んでいくチームのようだ。
(寺西ジャジューカ)
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