「映画プリキュアオールスターズ」が今年もやってきた。毎年、桜前線の話題が出るころに公開されるようになって五年目。
前シリーズ「オールスターズDX」から「オールスターズNewStage」に装いをかえて2作めの「映画プリキュアオールスターズNewStage2こころのともだち」。その初日舞台挨拶が、3,16日、新宿バルト9などで行なわれた。
登壇したのはドキドキ!プリキュアから3人の声優とスマイルプリキュア!の5人の声優、キグルミプリキュアはスマイル、ドキドキから全員登場。
スマイルプリキュア!のキュアハッピー役・福圓美里が飛ばす。

「何千人という声優さんのなかでね」
「何……千人?」
「各事務所に百人くらいいたら、あわせてそのくらいはいるでしょう? そのなかでプリキュアになれるのは、なんと30……ええとー」
「覚えてないなら言わなくていいよ!」(たまらずツッコむキュアサニー役・田野アサミ)
(32人、32人……。まわりの声優たちがささやいて教える)
「そうそう32人! しかもピンク(のプリキュア)は8人しかいないんですよ、この広い業界で8人。緑なんてふたりしかいない!」

「レアキャラですよー」
キュアマーチ役・井上麻里奈がサポートするように同意を示す。その様子をほほえみながら見守るキュアピース役・金元寿子とキュアビューティー役・西村ちなみ。
おおー。壇上の5人は「スマイルプリキュア!」のキャラそのものだ。

プリキュアをいちど演じた声優さんは、プリキュアになってしまうという。
去年、「映画スマイルプリキュア! 絵本の中はみんなチグハグ!」で福圓美里さんにインタビューしたときに「プリキュアを演じたら同化しちゃう感覚ってあるんですか?」と聞いたら

〈福圓 あります! 長い間声優の仕事をしてきたけど、こんなことははじめて。
キャラクターに対しては、最後に声を入れる作業をする、あとはほかのスタッフさんと共同でつくる、というのが私の信条だったはずなのに……、みゆきとは同化しちゃって〉。

と答えてくれた。
さあ、今年初参加の「ドキドキ!プリキュア」はどうなるのでしょうか。

「5つの光が導く未来! 輝け! スマイルプリキュア!」

先輩のスマイルプリキュア!たちが、五人そろっての変身口上をキグルミプリキュアのポーズと合わせて決めたあと(口上を披露する段取りを福圓が忘れるというハプニングはあったものの)
「ドキドキ!プリキュアにもお願いできるかな?」
と、司会から突然のリクエスト。

「ええええーできるかな」
「ちょっと不安……」
キュアソード役・宮本佳那子とキュアロゼッタ役・渕上舞が顔を見合わせる。
「ごめんねー」
キュアハート役の生天目仁美は、心配そうなキグルミのキュアハートを抱きしめる。
舞台上に3人でかたまり、真剣な表情で打ち合わせをはじめるドキドキ!の3人。
初々しい!
じつは、全員そろっての変身シーンは、映画版がはじめて(TV版では昨日の放送でありましたね)。まだ慣れないのだろう、難しさが身にしみているのだろう。
ドキドキ! 

「響け! 愛の鼓動! ドキドキ!プリキュア」

結局、ポーズは合わせず、声だけの披露となったものの
「すごいー!」「わたしたちの時よりぜんぜんそろってるー!」
と福圓をはじめスマイルの面々が拍手、会場からは(野太い)声援も飛び、後輩プリキュアたちの緊張の表情がぱあっと笑顔になった。

先週公開した梅澤プロデューサーのインタビューにもあるように「映画プリキュアオールスターズ」は〈直前のプリキュアからスタートしたばかりの最新シリーズのプリキュアにバトンタッチする〉という役目も担っている。
映画のなかでは、キュアハッピーからキュアハートへ「笑顔のバトン」が渡された。
そして初日挨拶の舞台でも、スマイルプリキュア!からドキドキ!プリキュアに「プリキュアの美しき魂」がリレーされた。
2004年「ふたりはプリキュア」からはじまって、プリキュアシリーズは10年めに突入。
あらたな絆が、強く、たしかに結ばれたのを満場の観客は見届けたのだった。
(アライユキコ)
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