「『こんな単純作業もできないの?』と若い社員に怒られた」
「単純作業もできない自分に嫌気がさした」
なんて話を、聞くことがある。
確かに、ただ資料をコピーして数え、クリップしたり、封筒詰め・箱詰めしたり、流れ作業にのってやるなどのいわゆる「単純作業」が苦手な人って、けっこういると思う。
決して単純作業をナメているわけじゃないのに、これって何故なのだろうか。
「ゆうメンタルクリニック」総院長の、ゆうきゆう先生に聞いた。
「専門職の中には、単純作業が苦手な人というのは案外多く見受けられます。特に普段頭が良いとか、優秀だと言われる人が単純作業を苦手としていると、『こんな簡単なことがなぜできないんだ?』と疑問に思われるかもしれません。場合によっては『怠けている』とか、『単純作業だからやる気がでないんだ』といった見方をされてしまうこともあるかもしれませんね」
それは、周囲から見ると、「あの仕事ができるのに、もっと簡単な仕事ができないなんて、なぜ?」と、一見矛盾しているようにも見えるからだ。
だが、これには、「脳の複雑さ」というものが深く関わっていると言う。
「引っかけ問題のようなクイズに関して、『幼い子供の方が単純な答えには辿り着きやすい』というのを耳にしたことはないでしょうか。経験が少ない分、シンプルに物事をとらえられるからなのですが、それこそ脳の働き方の『複雑さ』と『シンプルさ』の違いと言えるでしょう」
大人の場合、これまでの膨大な経験から、問題に対して身構えてしまい、必要以上に脳を働かしがちな傾向があると言う。一方、子供の脳は、違う。
「肉体的な単純作業であっても、その指令を出しているのは脳ですから、1つの指令を伝えるのに複雑な働き方をするほど時間がかかり、伝達がスムーズにいかなくなる可能性も出てきます」
そのため、シンプルな判断や行動については、動物や子どもの方が決断は早く、優れていることも少なくないと言う。
実際、単純作業をさせれば、子どもやサルの方が大学者よりも早くできる可能性もあるそうだ。
「つまり、脳の働き方が複雑で、なおかつ伝達がスムーズでない場合、どんなに頭が良くても単純作業が『上手くできない』ということが起こり得るのです」
とはいえ、どんなに頭が良く、複雑な仕事ができても、やっぱり「単純作業ができない」のは、日常生活で困る面も多いはず。
「そういった場合でも、少しずつ慣らしていけば徐々にできるようになりますので、長い目で見て少しずつ繰り返すということが大切ですね」
ちなみに、専門職や高度な技術が必要とされる仕事でも、「合間に単純作業を挟むほうが効率良くなる」という調査結果もある。
「これは、脳のリフレッシュになるからです。また、普段しないこと・慣れないことをすることで、脳の活動域を広げることにもなりますので、本人がストレスを感じない範囲で取り入れていければいいのではないでしょうか」
「単純作業」ができないのなら、自分に合った仕事を見つけることも一つの方法。また、慣れれば徐々にできるようになるそうなので、悲観せずに、いろいろ試してみるのも良いかも。
(田幸和歌子)
※ゆうきゆう 精神科医 著書多数。
ゆうメンタルクリニック総院長(上野院 http://yucl.net/)。(池袋院 http://yuik.net/)。(新宿院 http://yusn.net/)。(渋谷院 http://yusb.net/)。静かで癒される都会のオアシスとして評判が高い。
「単純作業もできない自分に嫌気がさした」
なんて話を、聞くことがある。
確かに、ただ資料をコピーして数え、クリップしたり、封筒詰め・箱詰めしたり、流れ作業にのってやるなどのいわゆる「単純作業」が苦手な人って、けっこういると思う。
でも、その一方で、そうした単純作業が苦手なのに、専門的な仕事・高度な仕事はきっちりやれたり、企画力・交渉力を要する仕事はスイスイこなせたりする人もいる。
決して単純作業をナメているわけじゃないのに、これって何故なのだろうか。
「ゆうメンタルクリニック」総院長の、ゆうきゆう先生に聞いた。
「専門職の中には、単純作業が苦手な人というのは案外多く見受けられます。特に普段頭が良いとか、優秀だと言われる人が単純作業を苦手としていると、『こんな簡単なことがなぜできないんだ?』と疑問に思われるかもしれません。場合によっては『怠けている』とか、『単純作業だからやる気がでないんだ』といった見方をされてしまうこともあるかもしれませんね」
それは、周囲から見ると、「あの仕事ができるのに、もっと簡単な仕事ができないなんて、なぜ?」と、一見矛盾しているようにも見えるからだ。
だが、これには、「脳の複雑さ」というものが深く関わっていると言う。
「引っかけ問題のようなクイズに関して、『幼い子供の方が単純な答えには辿り着きやすい』というのを耳にしたことはないでしょうか。経験が少ない分、シンプルに物事をとらえられるからなのですが、それこそ脳の働き方の『複雑さ』と『シンプルさ』の違いと言えるでしょう」
大人の場合、これまでの膨大な経験から、問題に対して身構えてしまい、必要以上に脳を働かしがちな傾向があると言う。一方、子供の脳は、違う。
「肉体的な単純作業であっても、その指令を出しているのは脳ですから、1つの指令を伝えるのに複雑な働き方をするほど時間がかかり、伝達がスムーズにいかなくなる可能性も出てきます」
そのため、シンプルな判断や行動については、動物や子どもの方が決断は早く、優れていることも少なくないと言う。
実際、単純作業をさせれば、子どもやサルの方が大学者よりも早くできる可能性もあるそうだ。
「つまり、脳の働き方が複雑で、なおかつ伝達がスムーズでない場合、どんなに頭が良くても単純作業が『上手くできない』ということが起こり得るのです」
とはいえ、どんなに頭が良く、複雑な仕事ができても、やっぱり「単純作業ができない」のは、日常生活で困る面も多いはず。
「そういった場合でも、少しずつ慣らしていけば徐々にできるようになりますので、長い目で見て少しずつ繰り返すということが大切ですね」
ちなみに、専門職や高度な技術が必要とされる仕事でも、「合間に単純作業を挟むほうが効率良くなる」という調査結果もある。
「これは、脳のリフレッシュになるからです。また、普段しないこと・慣れないことをすることで、脳の活動域を広げることにもなりますので、本人がストレスを感じない範囲で取り入れていければいいのではないでしょうか」
「単純作業」ができないのなら、自分に合った仕事を見つけることも一つの方法。また、慣れれば徐々にできるようになるそうなので、悲観せずに、いろいろ試してみるのも良いかも。
(田幸和歌子)
※ゆうきゆう 精神科医 著書多数。
ゆうメンタルクリニック総院長(上野院 http://yucl.net/)。(池袋院 http://yuik.net/)。(新宿院 http://yusn.net/)。(渋谷院 http://yusb.net/)。静かで癒される都会のオアシスとして評判が高い。
編集部おすすめ